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シニアの金言

今のボランティアは、仕事より超ハイレベル

70歳女性

検索も共有も、スマホで手早く

 退職して始めた、市の緑化ボランティア。ポットやプランターの経験しかなかったけれど、そんなに難しいことは求められないだろうと高を括って参加を決めた。ところがどっこい。みなさんプロですか?…ていうぐらい、センパイたちの知識と行動がすごい。参加者の年齢層は高くて、私なんて下から3番目。半分は80歳以上。体力もみんなすごい。夏の炎天下でも、センパイたちはしゃがんだまま黙々と草を抜き、重い土袋も平気で運ぶ。汗だくで休み休みの私とは大違い。
 そして何より、スマホの利用がとても上手。
 「緑化ボランティア」は、生き物相手。この間と何か違うな…ということがあればすぐに手を打たないと枯れてしまう。みなさんスマホですぐ調べる。お互いに得た情報を見せ合いながら、どうするかを決めていく。解決が手早い。
 必要な情報を調べ、共有し、話し合って手を打つという一連の動きが、自然な流れとして仲間内にできあがっている。お勤めしていた時よりも、プロフェッショナル感が強い環境かも…

シニアの金言を読み解く

 退職後のボランティアは「気軽な活動場」で高齢者は「デジタルが苦手」、という大方の認識はある一定の範囲では見事に裏切られている。
 令和7年通信利用動向調査によると、インターネットの利用率は60~69歳では91.2%、70~79歳では71.9%、80歳以上では37.1%。スマホ保有率は、60~69歳では88.6%、70~79歳では68.1%、80歳以上では33%。インターネット利用者のうち利用目的を「検索サービスの利用」とするのは、60~69歳では77.7%、70~79歳では67.6%、80歳以上は45.6%。
 このデータからすると、デジタルを苦手としないシニアは大方の認識より多く存在するが、80歳以上は確かに利用者が少ない。しかし一方で、金言に出てくる緑化ボランティアグループのように参加者の半数が80代でありながら、みんなでスマホ検索して情報を得て、目的を達成している集団もいる。
 高齢者の多様性が進んでいることは、当室でも再三お伝えしてきた。同じ「80歳以上」でも、スマホを持たない人がいる一方で、仲間と検索結果を見せ合いながら判断を下す人たちがいる。年齢だけで「デジタルが苦手な層」とくくってしまえば、こうした人たちの姿は見えなくなる。
 そもそも、ボランティア活動に参加できている時点で、体力的にも経済的にもある程度の余力がある高齢者と考えられる。余力のある人だから既にスマホを持っていたのか、緑化ボランティアの活動でスマホが必要になったのか。どちらが先かはわからないが、金言から読み取れることがある。彼らのスマホ利用は、ひまつぶしではなく、「植物を枯らさない」という目的を仲間と果たすための道具になっているということだ。調べる、見せ合う、話し合う、手を打つ。デジタルスキルやデジタルを使う行動は、目的と仲間がある場で鍛えられていく。
 であるならば、その特性を生かして高齢者の活動を活性化させ、結果的に購買意欲をあげるということも考えられる。
 たとえば旅行やレジャーの申し込み前、行程や費用を仲間と見せ合いやすい仕組みを準備する。家電や日用品の「これ、どうやって使うの?」「どこがいいの?」と調べた先に、仲間に転送しやすい短い動画や図解を準備する。
 さらに言えば、仲間内で真っ先に調べて共有する人は、仲間内の購買や判断に大きな影響を与える。
 こうした先端層を「シニアの中の例外」ではなく、「情報の起点」として捉えることが、高齢者との出会いづくりの近道になるのかもしれない。

※下記リンク先は、令和7年通信利用動向調査の結果 報道資料

詳しくは

https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01tsushin02_02000183.html

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