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シニアの金言

「遺贈」もありかしら

83歳女性

遺贈寄付の意向ありは約5人に1人(22.9%)

 歳をとると人の親切や思いやりのありがたさが身に沁みます。
先日、買い物に利用しているシニアカーが道の段差を越えられず立ち往生してしまいました。その時、近くの高校の生徒であろう、何人かが寄ってきてなんなく、段差を越させてくれたのです。
 「何かお手伝いできることはありますか?」。その自然な言葉に、何かとこだわる性格の私も気持ちよく好意に甘えることができました。

 子孫に美田を残すか、ぱあーっと使ってバイバイするか、そもそも残すものはないか…。老後に備えての2000万円問題が話題になりましたが、天命がいつ尽きるかは誰にもわかりません。明日お迎えが来るかもしれないし、今年6万人を超えた100歳クラブにメンバー入りもありえます。約9割は私と同じ女性ですが…。

 幸い残ったお金があれば、使う、身内に残すの他に、社会に役立てるため「遺贈」を選ぶ人も増えていると聞いています。先日の高校生たちのような次の世代に役立つなら、「それもありかしら」と思うようになりました。子どもがいないので「社会」という子どもに残すつもりです。

シニアの金言を読み解く

 遺贈行為は「ドネーション=寄付」という習慣に乏しい我が国では、まだまだ少ない。しかしこれからの選択として注目してよいだろう。寄付というとすぐ「ふるさと納税」が思い浮かぶが、これは見返りを求める面があり、いろいろと問題点が指摘されている。もちろんこれまで赤い羽根に代表される「募金」は広く行われてきた。しかし「募金」と「寄付」は違うものである。「募金」とは金銭を募って集めることを言う。それに対して「寄付」とは金銭を贈ることを指す。

 アメリカで「寄付」行為は日本より一般的である。アメリカの個人の寄付総額は30兆6664億円、日本人の個人寄付総額は7756億円。約40倍の開きがあるという(2016年、NPO法人、日本ファンドレイジング協会による)。
『寄付白書2017』(編集発行:日本ファンドレイジング協会)より。
https://jfra.jp/action/book

 日本財団が2017年に行った遺贈寄付に関する調査(詳細は下記参照、上記グラフもこの調査から)によると、約5人に1人が「遺贈寄付の意向あり(22.9%)」という結果がでた。とくに「おひとりさま世帯」は半数近く(42.6%)が遺贈を希望している。まだ実際に遺言書に遺贈を記載済というのはおひとりさまで1.3%、子どもありではわずか0.1%に過ぎない。

 しかし高齢者の一人暮らしが増え、地縁・血縁の薄弱化に合わせて、「遺贈」という選択をする高齢者が増えてくるに違いない。
以下、日本財団による「遺贈に関する意識調査」2017年3月 

詳しくは

https://www.nippon-foundation.or.jp/media/archives/2018/news/pr/2017/img/16/4.pdf

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