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シニアの金言

孫はいません

70歳女性

超少子化の中で、家族や世帯の形も変わりつつある

      グラフは内閣府「令和3年版 少子化社会対策白書」の出生数及び合計特殊出生率の年次推移より

 先日、気の置けない友人と孫の話で盛り上がりました。ただし、お互いの孫自慢、孫バカぶりの披露ではありません。その逆です。私は現在70歳ですが孫は一人もいません。友人もずっと独身だったからもちろん孫はいません。

 この年になると、「お宅、お孫さんは何人?」なんて気軽に声をかけられます。「シニアには必ず可愛い孫がいる」という「レッテル貼り」はやめてほしい…ということで、大いにうっぷんを晴らしたというわけです。

 うちにはそれなりの歳になる息子と娘がひとりずついます。息子はまだ結婚していないし、娘夫婦に子どもはいません。息子は海外勤務が長くて、向こうで一緒に暮らしたパートナーがいたようでしたが、詳しく聞くことはしません。本人は一人がいいようだし、こちらも一緒に暮らしているわけではないので文句はありません。

 娘夫婦は子どもがいなくとも、夫婦二人で仲良くやっているし、お互いの仕事で忙しくしています。私は子どもがいない人生もそれはそれでいいと思っています。「少子化が問題」なのは総論であって、各論ではもちろん、子を持たない権利も大切にされるべきだと思います。

 「孫かかわいい」はもちろん理解できます。孫自慢も大いに結構。ただ、「あなたも」と決めつけるのはご勘弁願いたいのです。

シニアの金言を読み解く

 これまでは孫が可愛いくてしかたがない、孫が生きがい、というシニアがスタンダードであった。今もそうかもしれない。しかし、超少子化の中で、家族や世帯の形も変わりつつある。孫のいないシニアも増えてゆく。

 国立社会保障・人口問題研究所が2015年に実施した「第15回出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)」のデータによると1977年に子供がいない夫婦は3.0%だったのが、2015年には6.2%と約2倍に増加している。

 同じ調査で生涯結婚するつもりはない男性は1987年に4.5%だったものが2015年には12.0%と2倍以上に。女性も1987年に4.6%だったものが2015年に8.0%と増加している。また、令和3年度内閣府の「 令和3年度 人生100年時代における結婚・仕事・収入に関する調査」で、今後の結婚願望について「結婚の意思なし」と答えた女性は20代で14.0%、30代では25.4%、男性は20代で19.3%、30代で26.5%に上る。こうしたこともあり、つい先日発表された、2021年の出生率は1.3となり、ニュースとして大きく報道された。

 出生率の過去最低は2005年の1.26。その後は団塊ジュニア世代が出産適齢期を迎えたことでやや上昇して、2015年には1.45まで回復していた。一般的には出生率が1.3以下になると「超少子化」といわれている。

 我が国はまさに「超少子化」と「超高齢化」が同時に進む、イーロンマスク氏がいう「絶滅危惧国家」なのである。「お宅、お孫さんは何人?」なんて気軽に声をかけあえた時代は過去のものになりつつあるのかもしれない。

※下記リンクは令和3年6月内閣府の「令和2年度少子化の状況及び少子化への対処施策の概況(令和3年版少子化社会対策白書)<概 要>へのものです。

詳しくは

https://www8.cao.go.jp/shoushi/shoushika/whitepaper/measures/w-2021/r03pdfgaiyoh/pdf/03gaiyoh.pdf

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