シニアの金言
「歩く」は百薬の長
69歳男性
ひとりで「歩ける」ことがQOLの基本
3年前、新型コロナ感染症の蔓延を受けて、高齢者は自宅でリモートワーク、という会社の指示。これまで1時間半ほどの通勤がなくなったのは肉体的にも時間的にもありがたかった。ただ、自宅でのリモートワークだと万歩計アプリの表示が数百歩ということも。コロナで外に出ずらいこともあり、運動不足で検診の数値が悪化。主治医から「節酒」を言い渡されてしまった。毎晩、焼酎2合は欠かさない中で「節酒」は無理と判断。思い切って「断酒」することに。併せて1日に8,000歩のウォーキングを自らに課した。
それから2年、今は1日に約10キロを歩いている。身体は正直なもので、検診の数値は劇的に改善。40代から縁が切れなかった「降圧剤」を飲まずとも血圧は130以下に。腹囲は5センチ以上、体重も7,8キロ減少。カミさんから「もうそれ以上おなかが出たら、穿くのもがありませんよ」といわれていたズボンが、ガボガボ。ベルトも短くしないといけない羽目に。歩くおかげで、適度に疲労するためか、寝つきもよくなった。まさに良いことずくめである。ただ、歩いている途中で、おいしそうなパン屋や菓子店につい、ふらふらと立ち寄ってしまうのが難といえば難。今は「甘いもの注意報発令中」である。
シニアの金言を読み解く
内閣府の「令和4年度 高齢者の健康に関する調査」よると、高齢者(65歳上)に現在の健康状態を問うたところ、良い(11.8%)とまあ良い(19.2%)を合わせると31.0%、いっぽう良くない(4.2%)とあまり良くない(20.5%)を合わせると24.7%、普通との回答が一番多くて41.7%であった。ただ「普通」は「健康」である方に含めてもよいと考えられるので、7割以上の高齢者が普通に健康という結果である。
「いつ頃から健康に心掛けるようになったか」という問いには60代が一番多く39.2%、次いで50代が25.6%、40代以前は17.7%、70代以降は16.5%という答えであった。「還暦」「定年」といった人生の大きな節目を迎える60代が、やはり一番健康を心掛け始める年代となっている。まだまだ働き盛り、ストレスも多い50代ではなかなか難しいのかもしれない。
日ごろ、どのように身体を動かしているかについて(複数回答あり)は「仕事や家事をする」「買い物出かける」などに比べ、積極的に「運動(ジョギングや水泳等)する」高齢者は17.6%にとどまる。その中で「散歩をする」が40.8%、「ウォーキングをする」が22.6%と高齢者にとって「歩く」が身近な「身体を動かす」ことだとわかる。
「歩く」ことがQOLの基本。高齢者が自分自身で歩き続けられるようにサポートすることが大切である。
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