シニアのペルソナ
「高齢者」と、ひとまとめにしない。一人のシニアの顧客像を描き出す
「変化」に伴うニーズにいかに対応できるかが、シニアマーケティング成否のカギを握ることになります。
当研究室では、膨大で捉えどころのないシニア市場を的確に把握し、狙いとするターゲットにたどり着くために、
3つの段階を踏むことを提唱してきました。(詳しくは「シニアって誰」のコンテンツ をご参照ください。)
その3つのプロセスとは、
- 「3,600万人を超えるシニアは4つの類型に分けられる」ことを確認する
- 4つの類型それぞれに見受けられる、困りごとやニーズを2軸4象限で整理する
- 細分化した困りごとやニーズに、提案できる商材は何か?を導き出す
次の工程では、「具体的なニーズ」を保持しているシニアのペルソナを描きます。
ペルソナを描くことで、以下、2種類の活動が可能になります。
なぜそのニーズをそのペルソナは持っているのか?ペルソナの属性や状況、行動を高い確度で推し量り、マスで捉えるのではなく「具体的ニーズ」とその対象者を高い確度で捉えることで、見込客が「見える化」されます。
3,600万人を超える、巨大で、実は細分化されている市場に、シニアの実ニーズが顕在化されます。
(図1.及び図2.はこの関連を図表化したものです。)
1)提案したい商材がシニアに響く、購入したくなる、適切なコミュニケーション策を導出する
- 図1.高齢者市場全体からペルソナまでの絞り込みプロセス(概念図)
-
例)高級バスリフォームを売りたい。シニア層に可能性があるのではないか?
どうコミュニケーションをとれば振り向き、頷き、行動する?
- ※1 人口推計 令和7年6月1日概算値 総務省統計局
- ※2 アクティブシニア人口 946万人(2024(令和6)年 労働力調査基本集計 総務省統計局)
- ※3 ディフェンシブシニア人口 1,135万人=
1,950万人(高齢者人口)-946万人(アクティブシニア人口)-815万人(ギャップシニア人口)
-725万人(ケアシニア人口) - ※4 ギャップシニア815万人(高齢者人口-アクティブシニア人口-ケアシニア人口)×418.2÷1000
(2022(令和4)年 国民生活基礎調査 厚生労働省 による「65歳以上の有訴者率(千人対):418.2」) - ※5 ケアシニア人口725万人(2025(令和7)年5月末現在暫定値 介護保険事業報告 厚生労働省)
2)シニアに新しい商材・サービスを提案する、事業創出のために視点・切り口を導出する
- 図2.高齢者市場全体からペルソナまでの絞り込みプロセス(概念図)
-
例)学習業界の立場から、アクティブシニアのくらしと気持ちを感じる・知るためのペルソナ作成。何を知りたい?学びたい?

- ※1 人口推計 令和7年6月1日概算値 総務省統計局
- ※2 アクティブシニア人口 946万人(2024(令和6)年 労働力調査基本集計 総務省統計局)
- ※3 ディフェンシブシニア人口 1,135万人=
1,950万人(高齢者人口)-946万人(アクティブシニア人口)-815万人(ギャップシニア人口)
-725万人(ケアシニア人口) - ※4 ギャップシニア815万人(高齢者人口-アクティブシニア人口-ケアシニア人口)×418.2÷1000
(2022(令和4)年 国民生活基礎調査 厚生労働省 による「65歳以上の有訴者率(千人対):418.2」) - ※5 ケアシニア人口725万人(2025(令和7)年5月末現在暫定値 介護保険事業報告 厚生労働省)
ペルソナとは情報を元に作られた架空の人物像
ペルソナをより詳しく定義すれば、
「ペルソナとは、実在する人々についての明確で具体的な情報・データをもとに作り上げられた架空の人物であり、ユーザーが本当に使いたい製品やサービスの実現をサポートするためのツールであり、手法」(『ペルソナ戦略』ジョン・S・プルーイット著 ダイヤモンド社刊)と言えるでしょう。
ペルソナを描く最大のメリットは、商品販売において、特定の顧客に的を絞った、効果的・効率的な戦略構築・情報発信が可能になることです。
また商材・市場の開発においては、確度の高いニーズの抽出とそれに提案が可能になることです。
顧客像を鮮明にすることで、関与者グループの中で顧客像の共通認識を育める、というメリットも生まれます。
シニアのペルソナ描出に必要な要素とは
シニアであるかどうかに関わらず、ペルソナを策定するためにはいくつかの要素が必要となります。まず大きく分ければ、①基本属性②状況や行動に分けられます。
基本属性とは、ペルソナが置かれている環境のことです。年齢、職業、性別と言った基本的なものから、家族構成、収入、住居の有り様など多岐にわたります。物理的な制約条件と言えます。
状況や行動とは、該当する商品やサービスの検討にあたっての検討動機や初期不安、購買に至るキーファクターなどの要素です。基本属性とは異なり、多分に心理的な要素が加わります。
- 1)提案したい商材がシニアに響く、購入したくなる、適切なコミュニケーション策を導出するために、
ペルソナをよりリアルに描出するための基本項目(図3.)
「高付加価値浴室リフォーム」を検討しているアクティブシニアな69歳男性「中村健二」さんに、訴求提案に必要な要素を挙げています。比較的高額の消費にあたること、住宅設備であることを鑑みて、貯蓄額や住環境に関する要素を多く盛り込んでいます。商品やサービスによって、求められる記述要素は若干異なってきます。
- 2)シニアに新しい商材・サービスを提案する、事業創出の視点・切り口を導出するために、
ペルソナをよりリアルに描出するための基本項目(図4.)
学びの提案が届きやすいアクティブシニアな69歳男性「中村健二」さんに、学びを核にした商材開発に必要な要素を挙げています。新しいシニア市場を創出・開拓するためには、シニアのくらしと気持ち感じる・知るためのペルソナ作成が必要です。
- 1)提案したい商材がシニアに響く、購入したくなる、適切なコミュニケーション策を導出するために、
ペルソナをよりリアルに描出するための基本項目(図3.) - 「高付加価値浴室リフォーム」を検討しているアクティブシニア「中村健二」さん

- 2)シニアに新しい商材・サービスを提案する、事業創出の視点・切り口を導出するために、
ペルソナをよりリアルに描出するための基本項目(図4.) - 学びの提案が届きやすいアクティブシニア「中村健二」さん

ペルソナ策定にあたっての注意点
ペルソナ策定に大事なことは、「人物像を客観データから導き出す」、もしくは「人物像の妥当性を客観データにより裏付ける」ということです。「実在の人物を選び、その人に合わせて策定していく」という方法論もありますが、データにより整合性が担保できているかどうかを検証し、修正を加えてゆくプロセスは欠かせません。実在の人物をそのまま描出すると、どうしても偏りが生じてくることを肝に銘じることです。
株式会社 日本SPセンター
シニアマーケティング研究室
特別顧問 中田典男
株式会社 日本SPセンター
シニアマーケティング研究室
石山温子
※スムーズにペルソナ策定に入れるように、当研究室では、独自のフォーマットを用いています。
下記の『White Paper Download Service』から、入手できます。
「中村健二さん」の基本属性や状況、行動をどのように記述すればよいのか、その一例をご紹介しています。




