シニアの金言
親戚に悪口を吹聴する母
62歳女性
相談相手はケアマネだけ
1年くら前から母の認知が不確かになってきた。伝えたのに忘れていることが増え、「ごはんはまだ?」「さっき食べたでしょ?」を繰り返し、やたら怒りっぽくなっている。親戚やご近所に、私がいじわるをしていると話している。見た目にはしっかりしているから、母の認知が不安定なことは挨拶レベルの会話ではわからない。
テレビで見たこと聞いたとことが、確かに今、私の目の前で起こっている。
お医者さんには通っているし、ケアマネにもついてもらっているけれど、いい方向にいかない。あまりの辛さに主治に起きたことを伝えると、「そこは否定しない。別の言い方で返してあげて」と言われる。夫は「そんな風に言うからダメなんだよ。“言ったでしょ?”とか言わないで、“ふんふん”言いながら、手伝うんだよ」。
(でも、できないんだよ~!!!)
最近、先生がお薬を変えてくれた。途端に、とても静かになった。怒らなくなった。
正直、ほっとしている。薬だけでこんなに変わるなんて…。
おかげでパートも行きやすくなったし、友達と会う時間も少しつくることができるようになった。
でも友達と会って母の話をきいてもらっても、自宅で介護が必要な家族がいる人は意外といない。相談できるのはケアマネージャーだけ。
母が何に怒っていたのかイライラしていたのか、わからないまま。もちろん本当のことはどうしたってわからないだろうけれど、このモヤモヤ、パートや運動、おしゃべりで解消するだけでいいのかな…
どこか話を聞いてくれる、同じような悩みを抱えている人たちのコミュニティを探してみようかな。
シニアの金言を読み解く
令和6年6月分、厚生労働省「介護保険事業状況報告書」によると、居宅(介護予防)サービス受給者数は、425万人。「居宅(介護予防)サービス」とは、介護予防訪問介護から短期入所、介護予防地域密着型サービスの利用なども含まれる。有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅などの要支援の入居者に対する日常生活支援や機能訓練なども含まれるが、その数値は全体から見ればわずか。ほとんどは地域・自宅での利用者と考えられる。
それだけの要介護者を自宅で介護している方々がおられる。
物理的支援ももちろん重要だが、一方で心配事に対する支援も必要。
令和4年国民生活基礎調査によれば、悩みやストレスがある人が7割。その中でも断トツに多いのが「家族の病気や介護」。
介護者の多くがまだ続く要介護者のこれかの健康、介護の変化について悩みやストレスを感じている。それに対して、支援はどれだけ備わっているのだろうか?
それぞれの課題に対する支援策は、技術と社会の協力によって徐々に実現してきている。(たとえば、捜索支援アプリによるみまもりあいプロジェクトhttps://mimamoriai.net/)
もちろんこれら一つひとつの課題解決が、生活をうまく循環させてくれる。欠かせない発展だ。一方で、ありとあらゆる懸念を抱えている介護者のこころのケアも欠かせない。
プロとの接点が多いはずだが悩みやストレスも多い、医療・介護に関して、こころのケアニーズがあるのではないだろうか。
下記リンク先は令和4年国民生活基礎調査のデータ掲載e-stat
詳しくは
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&toukei=00450061&tstat=000001206248
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