シニアの金言
ワクワクしない
72歳男性
コロナ禍で意欲が低下したシニアを元気に
この頃、めっきり外出が減った。当然、人に会うことも減る。60代までは人に会うのは苦にならなかったし、むしろ、いろんな人と話をするのが楽しかったのに。コロナのせいで人と交流できなかったことが原因かと思ったが、そうではないようだ。人に会ったり、話をしたりすることが嫌というより、ワクワクしないのだ。興味がわかない。
同窓会や昔の同僚からゴルフの誘いもあるが、「都合がつかない」と断ることが増えた。ゴルフを始めたころは前の晩、ワクワクして眠れなかったのがウソのようだ。妻からは「ちょっと出かけてみたら」「そのままだとボケちゃいますよ」といわれるのだが…。することがないのでぼっとテレビを見ていることが多い。べつに面白くて見ているわけではない。時間つぶし。運動をしないせいか、寝つきも悪い。その分、お酒の量も増えた気がする。
このまま老いてゆくのかと不安になることもある。平均余命で見ると18年ぐらいある。先は長い。なんかワクワクするもの見つけないといけないと思うが、なかなか見つからない。
17歳だった高校生の時にみたスタンリーキューブリックの「2001年宇宙の旅」は衝撃だった。子どもが生まれてすぐの31歳のときに見たE.T.に涙した。次の年にはファミコンを買って夜更かしをした。そんなワクワクにもう会えないのだろうか?
シニアの金言を読み解く
新型コロナ感染症は多くの人の心身の健康に悪影響を及ぼしたが、中でもつねに自身や周りに要配慮が求められた高齢者への影響は大きかった。内閣官房の調査でも6割以上の高齢者が人と会ってのコミュニケーションが減ったと回答した(上記グラフ参照)。精神科医の和田秀樹氏がその著書「70歳からの老けない生き方」ではコロナで外出を控えた「自粛後遺症」で100万人、200万人という単位で高齢者が「フレイル」になるのではないか、という予想を語っている。
前書は老後について医学的見地からだけでなく、多角的な示唆に富んだ良書だが、その中で意欲度チェックがあり、
1) 最近、宅配の新聞以外に新聞や雑誌を買ったか?
2) 旅行や外食をしたい気分になっているか?
3) 友人、知人と積極的に会いたいという気持ちになっているか?
4) 趣味を再開したいか
この中で一つもYESがないと要注意だそうである。
シニアミュージカルを上演してきた「発起塾」の秋山シュン太氏も当室「ゲストルーム」の寄稿の中で、「コロナ禍をへて、『新シニア』は『おひとり様』が増えて、多くの仲間は要らない、集団活動が少し苦手な人が増えました」と語っている。
人とつながる、外に出かける、新しいものに興味を持つ、そんな意欲を失いかけている、高齢者をワクワクする気持ちにさせるものが求められている。「エンタメ」は若い人ばかりのものではない。今のシニアはアニメや動画、ゲームも若い時から経験してきた世代。エンタメ業界の方々に、今のシニアの理解していいただき、これからのシニアをワクワク、元気にさせる新しいエンタメを期待したい。
以下のリンクは、発起塾代表 秋山シュン太郎氏 「シニアミュージカルを取り巻く環境の変化とシニア心」へ
詳しくは
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