シニアの金言
お化粧は、窓際で
72歳女性
お日さまの光で、よく見えるから
部屋の中や洗面所では照明を点けても暗くて、細かいところまでしっかり見ることができない。よく見えないままお化粧して、目元や口元のラインがはみだしたらおかしいし、チークも塗りすぎると格好悪いじゃない。
だから、お化粧するときはいつも窓際に移動するの。お日さまの光で鏡を確認するのが、一番よく見えてきちんとできる。
シニアの金言を読み解く
加齢に伴い、見え方には老眼以外にもさまざまな変化が起こります。
たとえば網膜の後方に届く光量が減るので、明るさがおちる。全体的に黄味がかって見える。瞳孔調節が遅くなり、戸外に出た直後や夜間の運転で対向車が来たときにまぶしさがきつく感じる、など。
ちなみに多くの症状を引き起こす白内障について、初期の混濁を含めた有病率は、50歳代で37~54%、60歳代で66~83%、70歳代84~97%、80歳以上で100%といわれています。
(厚生科学研究費補助金(21世紀型医療開拓推進研究事業:EBM分野)
分担研究報告書による)
つまり商品・サービスづくりにおいても、コミュニケーションにおいても、開発者・販売者とターゲットであるシニアとでは、見えているものが異なっていることを認識して取り組む必要性があります。
実際、「長野建築士会諏訪支部青年委員会」のように、シニアの見え方を体感しながら、色彩計画に取り組む動きもあります。
http://www.arcsuwa.com/committee/seinen/koureisyaniyasasii.pdf
シニアの見え方を理解し取り組む足がかりに、国立研究開発法人産業技術総合研究所が提供している『高齢者・障害者の感覚特性データベース』(http://scdb.db.aist.go.jp/)を利用する方法があります。
また、色のアクセシビリティについてはWeb上に公開されているツールが多数あります。そういったものを利用して大きな方向性を決めたら、グループインタビューを利用して詳細な開発を行うことで、シニアに響く提案が可能になるのではないでしょうか。
詳しくは
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