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シニアの金言

参加したら、最年少だった

75歳男性

歳をとると学ぶ形態に方向性があるらしい

 いよいよ仕事から完全に引退した。時間はたっぷりあるし、以前から興味があった市民講座に、ついに申し込んだ。うん十年ぶりの新入生!期待いっぱいで入った教室で自己紹介をしたら、なんと私が最年少。クラスメイトのほとんどが、80歳を超えていた。
 この年になって自分が最年少なんて、そんな機会はめったにない!
 面白い経験をしたと飲み友達に話したら、「それ、ザガクのコースだろ?」と、言う。
「ザガクのコース?」
「フィールドワークがない、教室の中だけで行われるコースだろ?」
 教室の中だけで完結する講座には、高齢者の中でも「より高齢者」の参加が多いという。「外に出て史跡を巡ったり、自然の中を歩いたり、フィールドワークが入っている講座に80歳超えてから参加するのはキツイから、みんな座学だけの講座を選ぶんだよ」
 そうか。言われてみれば確かにそうだ。私もいずれは座学のコースでないと参加が難しくなるのだから、今年はフィールドワーク込みの講座を受講する方がよかったか…?。いや、いくつまで生きられるなんてわからないのだから、今やりたいことをやる決断でよかったのか…?
 今年1年がんばってから、また考えよう。

シニアの金言を読み解く

 令和6年版高齢社会白書によると、65歳以上の者の28.4%が何らかの学習活動に参加している。https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2024/html/zenbun/s1_2_3.html 学習した内容については、「家政・家事(料理・裁縫・家庭経営など)」(12.0%)、「芸術・文化」(10.6%)、「パソコンなどの情報処理」(10.4%)など。
 ただし、高齢社会白書の元データである社会生活基本調査を確認すると、65歳-69歳は35.3%、70-74歳は31.6%、75歳以上は23.3%。年齢が上がるほど、参加率は低下している。これには参加困難が状況・状態が発生していることも関係しているのだろう。あるいはより高齢になると参加したいし参加できる、という対象が見つけられない場合もあるかもしれない。
 学び場は、社会生活を維持できる機会のひとつ。高齢者がやりたい、やれる、参加できるいう場面を維持することは、多くの自治体や家庭で求められている。同じく令和6年版高齢社会白書においては、65歳以上の方の「社会活動への参加状況」と「生きがいの感じ方」には関連性を推測できるデータも紹介されている。なんらかの社会活動に参加している人の場合、「生きがいを充分に感じている」人は35.7%。一方、いずれの活動にも参加しなかった人で「生きがいを充分に感じている」人は、19.2%。
 15%ほどの違いがうまれている。
 高齢期の生きがいは健康や寿命に影響を与えると言われている。
 前期高齢者の間は行動力も体力も高く、さまざまな活動に参加できる方が多い。しかし多くの方は75歳、80歳と年齢があがるにつれて徐々に選択肢が狭まりがち。後期高齢者、さらには超高齢者も参加できる、楽しめる、活動の開発・提案はまだまだ足りないのではないだろうか。

下記リンク先は、令和6年版高齢社会白書(全体版)(PDF版)

詳しくは

https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2024/zenbun/06pdf_index.html

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