シニアの金言
電捨離しないと…
73歳男性
増え続けるデジタル遺産をどうするのか…
先日、義母が亡くなりこれで4人の親を見送り終えた。悲しさや寂しさもあったけれど、ちょっとホッとしたところもある。そのとき、ふと「次は自分」ということに気がついた。すでに70歳を超えて、「お迎え」は他人事ではない。「終活」という二文字がやけに現実味を帯びてきた。持ち物を減らそうとしているが、執着が邪魔をしてなかなか進まない。最近とくに気になってきたのが「デジタル遺品」とも呼ばれる電子機器に残されたデータ。
30年程前にインターネットが普及し始めた頃、すぐに個人でホームページを作った。それ以来、メール、ネットショッピング、ネットオークション、ブログ、SNS…様々なITツールを使ってきた。すぐに消したデータもあれば、これまでのレガシーなメディア、フロッピー、MO、USBメモリー、SDカード、使わなくなった外付けハードディスク、まだ捨てずにいる古い携帯電話、スマートフォン…それぞれに残っているデータがある。
今でこそ個人情報等に敏感となっているが、90年代はかなり甘かった。卒業名簿、自治会の名簿、みんな個人情報満載でも気にしていなかった。その頃のデータが残っているかもしれない。写真も危ない。大事にしてきたデータやその格納機器を処分する必要がある。破壊して塩水に漬けようか?信頼できる業者に依頼するか?ホームページやブログ、SNSなどのクラウドにあげている情報も削除しておかなければ…断捨離という言葉があるけれど、みんなに迷惑をかけないためにも、しっかりと「電捨離」しないといけないな。
シニアの金言を読み解く
今は高齢者も写真はデジタル。ほとんどはスマホに残っている。忘れたときのために大事な書類をスマホのカメラで撮って置く人もいる。高齢者の保持する「情報」も紙からデジタルに変わりつつある。最新のiPhone 15 Proでは記憶容量が1TB!写真のデータ量を1枚約2MBとすると、1TBなら約52万枚保存できることになる。
通信速度も1980年から2020年の40年で約100万倍にもなり(総務省「令和5年版通信利用白書」による)、SNSやクラウドサービスの利用拡大が高齢者のデジタル遺産増大に拍車をかける。同窓生でLINEグループを作っている高齢者は少なくない。祖父母が孫の成長を楽しみにしている家族アルバムも、すべてデータはクラウドにある。
国や自治体もマイナンバーカードに見られるように、さまざまなサービスのオンライン化を推し進める。自分が死んだあともデータだけが漂流することを避けるために、「電捨離」が注目されることになるだろう。
下記リンク先は令和4年度総務省「通信利用白書」第2章 データの流通・活用の現状と課題 第1節 加速するデータ流通とデータ利活用
詳しくは
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r05/pdf/n2100000.pdf
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