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室長の小部屋

WhitePaper「数字で読む、高齢社会白書令和三年版
覚えておきたい基本数値」を公開しました

 はじめに

 令和三年版「高齢社会白書」が6月に発表されました。この白書には、高齢化社会の実像を浮き彫りにする、数多くのデータが取り上げられています。
 本稿では、その中から、気になる数字、基本的に覚えておきたい数字を20に厳選して解説を加えています。分厚い白書を読み通すことは大変ですが、本稿を斜め読みするだけでも、エッセンスは知ることができると思います。
 本稿では、既刊の「数字で読む、令和元年版高齢社会白書」との比較ができるように、データ項目は極力同じものにしていますが、比較可能なデータがない場合は割愛し、新しい項目を加えました。

 具体的には、内閣府「高齢者の生活と意識に関する国際比較調査」( 令和2年度)から、引用しています。
また、白書内に掲載されていても、6年以上前のデータは削除しました。

 拙稿が分厚い白書と格闘する時間が割けないマーケッターの皆さまの一助になれば幸いです。

 株式会社 日本SPセンター シニアマーケティング研究室 中田典男

高齢者人口は、
昭和25年の8.7倍!

高齢者(65歳以上)人口

人口3,619万人

 令和2年10月1日現在、総人口は1億2,571万人。
うち3,619万人が65歳以上の高齢者です。戦後の昭和25年には、わずか416万人でした。70年間で、その人口は8.7倍に膨れ上がったことになります。
 高齢者の人口増は、2000年代以降に特に顕著で、2000年~2020年の間に、1,418万人増加。
1950~2000年間の増加人口、1,785万人に比べれば、その増加量がいかに大きいかがおわかりになるでしょう。
 因みに男女比は約77:100。女性の高齢者数が男性のそれを上回っています。

【出典】総務省「人口推計」令和2年(2020年)10月1日

女性の高齢化率は、
3割を超えた!

女性高齢化率(女性総人口に占める65歳以上人口の割合)

31.7%

【出典】総務省「人口推計」令和2年(2020年)10月1日

 平成30年10月1日現在の高齢化率は28.8%。昭和25年(1950年)はわずか5%。それが2000年には、急速な勢い17.3%に達しました。そして2005年には20.1%と初めて20%台の大台に乗せています。
 言うまでもなく、日本の高齢化率28.8%は世界で最も高い数字です。日本に次ぐのはドイツで21.7%、その後にフランスの20.8%が続きます。
 男女別にみると、男性:25.7%、女性:31.7%。女性の高齢化率は令和元年時点で3割をすでに上回っています。

【出典】総務省「人口推計」令和2年(2020年)10月1日

後期高齢者人口の
増加が止まらない!

後期高齢者(75歳以上)人口

1,872万人

 日本では、65歳以上を高齢者と呼び、その中で65歳以上75歳未満を前期高齢者、75歳以上を後期高齢者と位置づけています。その区分に基づいて制度設計されているものも多くあります。
 後期高齢者の人口は、昭和25年(1950年)時点で、わずか107万人でした。前期高齢者の307万人の3分の1だ。それが今では1,872万人に達しています。
 後期高齢者の人口が初めて前期高齢者を上回ったのは令和元年。それ以降、その幅はさらに広がっています。

【出典】総務省「人口推計」令和2年(2020年)10月1日

なんと、国民所得の
30%は社会保障費!

社会保障給付費

121兆5,408億円

 年金・医療・福祉その他を合わせた、社会保障給付費の総額は平成30年(2018年)121兆5,408億円と過去最高の水準となりました。
 国民所得に占める割合は、30.06%と、わずかながら3割を上回っています。
 社会保障給付費の中で、高齢者関係給付費※について見ると、平成30年(2018年)は80兆8,268億円となり、前年度から1兆872億円増加しました。

※年金保険給付費、老人福祉サービス給付費及び高年齢雇用継続給付費を合わせた額
【出典】国立社会保障・人口問題研究所「平成30年 度社会保障費用統計」

80歳以上の7割近くは
「生活に困っていない」

「80歳代男女の『生活に困っていない』人の割合」

67.4%

 経済的な意味で日々の暮らしについて「 困っていない」(「困っていない」と「あまり 困っていない」の計)と感じている人の割合は 全体で63.6%。
 年齢階級別 に見ると、70~74歳を除き、「困っていない」 と回答した割合が6割を超えています。特に80歳 以上では67.4%で、5歳刻み+80歳以上の5つの年齢階級の中で、トップの数字になっています。一概にエイジングパラドックスだけで語られる問題ではないでしょう。

【出典】内閣府「高齢者の生活と意識に関する国際比較調査」(令和2年度) 調査対象は、全国の60歳以上の男女

約半数が
「年金だけが頼りです。」

年金・恩給受給世帯における総所得にそれが100%を占める割合

48.4%

 公的な公的な年金や恩給を受け取っている高齢者世帯で、それ以外に収入がない世帯の割合は、48.4%と1位。
 第2位は、80~100%年金頼みで12.5%。両者を合算すれば、年金・恩給受給世帯の約6割を占めています。
 令和元年のデータでは、年金等100%の世帯割合は52.2%でした。2年の間で約4%減少しています。
 働く高齢者が着実に増加してきていることもその理由の一つに挙げてよいでしょう。

【出典】厚生労働省「令和元年(2019年)国民生活基礎調査」

「シニアは金持ち」
一面で事実

世帯主が60歳以上で、貯蓄が4,000万以上ある世帯の割合

17.3%

 60歳代以上で、4,000万円以上の貯蓄がある世帯は、収入区分中の第1位で、17.3%。二人以上全世帯を分母にした割合は11.4%ですから、その差は約6%。この数字は令和元年版の掲載数字、17.6%、
11.8%とほぼ同様の数字です。シニア層が全体より裕福な傾向に変わりはありません。
 一方、60歳代以上で第2位につける収入区分は対極の0~100万円未満で、8.5%。二人以上全世帯を分母にした割合は10.7%で、収入低位の分布も、シニア層は全体を下回っています。

【出典】総務省「家計調査(二人以上の世帯)」(令和元年)  単身世帯は対象外

60歳以上の世帯で
貯蓄は2,000万を超す

世帯主が60歳以上で、貯蓄が4,000万以上ある世帯の割合

17.3%

世帯主が60歳以上で、貯蓄が4,000万以上ある世帯の割合17.3%
60歳以上の世帯で貯蓄は2,000万を超す
 世帯主の年齢階級別1世帯当たりの貯蓄・負債現在高の関係で見ると、40歳未満は、負債>貯蓄の状態。一方50歳以上でやっと負債<貯蓄と健全な家計に戻ります。
 各年齢階級の中で、貯蓄は60歳代が最も多く、平均2,330万円。もっとも、貯蓄額から負債を引いた「純貯蓄額」で見ると、70歳以上が最も多く、2,183万円という結果になります。
 2,330万円と言えば、多くの60歳代は疑問視するでしょうが、中央値※を取れば肌感覚に近い数字になります。

※家計調査では、年齢階級別の貯蓄の中央値は掲載されていないが、
高齢者世帯(二人以上世帯)を分母にした貯蓄の平均値と中央値(いずれも令和元年)は掲載されている。
それによると、平均値が2,285万円なのに対して、中央値は1,506万円と肌感覚に近くなってくる.

【出典】総務省「家計調査(二人以上の世帯)」(令和元年)
※家計調査では、年齢階級別の貯蓄の中央値は掲載されていないが、高齢者世帯(二人以上世帯)を分母にした貯蓄の平均値と中央値(いずれも令和元年)は掲載されている。それによると、平均値が2,285万円なのに対して、中央値は1,506万円と肌感覚に近くなってくる.

生活保護高齢者は、
9年間で150%増!

65歳以上生活保護受給人員数

104万人

 平成28年(2016年)、 100万人の大台に乗った65歳以上の生活保護受給者は、その後も漸増傾向が続き、平成30年(2018年)には、104万人となりました。65歳以上全人口の2.93%にあたります。
 平成21年(2009年)からの長期スパンで見ると、全受給者の伸びが124%。一方、高齢者の受給者は151%。高齢受給者の伸び率が全体を上回っています。

【出典】総務省「人口推計」「国勢調査」、厚生労働省「被保護者調査 年次調査」

10

高齢者の7.5人に1人は
「働ける、働いている」

労働力人口※に占める65歳以上の割合

13.4%

 令和2年の労働力人口は、6,868万人。労働力人口のうち65~69歳の者は424万人、70歳以上の者は498万人。労働力人 口総数に占める65歳以上の者の割合は13.4% と上昇し続けています。
 昭和55年(1980年)はわずか4.9%でしたが、平成23年(2011年)には8.9%に。ここから上昇カーブが上がり、平成25年(2013年)には、9.9%まで上昇していました。

※労働力人口とは15歳以上人口のうち、就業者と完全失業者を合わせたものをいう。
【出典】 総務省「労働力調査」

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