データ図表だけをチョイスし、
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2021年4月5日
前稿では、仕事・健康・家計と言った、悩みやストレスの原因の大所を概観してきた。本稿では、それらより実数も率もはるかに小さいが、気に留めるべき、いくつかの項目をピックアップしてみることにする。全体から見ると誤差範囲のような数字かも知れないが、やはり、年齢階級によって傾向がことなるには興味深い。尚、図表のメモリは前稿と異なっているので、留意いただきたい。
図5.は、「家族との人間関係」を最も気になる悩み、ストレスとして挙げた人の割合。70~74歳が最も高く、7.3%。この年齢階級では、概ね14~15人に1人が、家族との関係に強いストレスを抱いていることになる。これは、見逃しがたい数字だ。次いで、65~69歳の6.7%、75~79歳の6.4%と続く。一方、80歳以上になると、その数値は逓減し、85歳以上では、4%とずいぶん低下している。
生きがいという、些か抽象的で、感傷的なニュアンスも漂う項目では、65歳以上の高齢者で3%を超える数字になっている。30歳代後半に比べ2倍の値だ。択一回答なので、どうしても回答が集約されるが、複数回答なら、かなり多くの高齢者が生きがいについて悩んでいることも推察される。
自由にできる時間がないという悩みは、各年齢階級を通じて意外に少ないが祖の中でも、さすがにシニアともなると、圧倒的に少数派になる(図7.)。50歳以上では軒並み、1%台で推移している。このデータを見る限り、金はいざ知らず、シニア層はひとしなみに「時持ち」であるということが立証された。
個別データの最後は、「住宅や生活環境に関する悩み」(図8.)。年齢階級によって、そこそこ差のつく結果となった。意外にも多いのが、70歳代。立地や建築仕様が、そろそろ身体の衰えをカバーできなくなったことに所以するのではないかと思われる。全体の中での実数は少ないが、リフォームの一つの画期であることは間違いのない事実だろう。
以上、個別の設問について年齢階級別に考察してきたが、まとめると図9.の一表になる。パーセンテージの高い順に、各年齢階級で並べてみたものだが、ここから分かるのは、5歳刻みの年齢階級ごとに、抱える悩みやストレスの種類は大きく異なってくることだ。
たとえば、「自分の病気や健康」。60~64歳までの順位は低位だが、65歳以上になるとトップに躍り出る。そのなかでも、80~84歳から85歳以上にかけては数字が大きく跳ね上がる。
逆に自分の仕事についての悩みは、65歳以上で大きく順位が後退する。但し、今後リタイアレスが一般的になれば、多少なりとも変わってくるだろう。
いずれにしても、同じシニア層といえども、年齢に応じて、その悩みは大きく異なるということをまず、頭に留めておかなければならない。
株式会社日本SPセンター シニアマーケティング研究室 中田典男
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