プレシニアとメルマガ、第3回目は「どんなコンテンツを読むか?」に焦点を当て、効くコンテンツのジャンルや種類を明らかにしてゆきたい。この設問への回答では、セグメントごとに異なる様相を現わすことも多く、興味深い結果となった。まずは全体傾向(図11.)から、紐解いてみよう。
読まれるコンテンツのトップは、想定内とも、あるいは意外とも思える「セールやキャンペーンなどのお得情報」で、80%以上の支持があった。第2位につけたのは「趣味」のコンテンツで、63.9%を記録。この2者が、他を引き離して、トップ集団を形成している。第2集団を形成するのが、「衣食住などの生活情報」や「仕事」に関するコンテンツで、ともに30%台の支持。そして、最後尾に甘んじているのが、「健康面など自身の持っている課題」、「ライフスタイル」といったコンテンツで、両者はともに21.0%。全体で均した結果は、果たして正鵠を射ているのだろうか? 以下セグメントごとの違いを明らかにしてゆくことにする。
図12.は、50~54歳男性のセグメントを取り出したもの。グラフの波形こそ、全体傾向と相似形だが、それぞれのスコアを見ればかなり異なってくる。全体に比べ、スコアが勝っているのが、仕事と趣味のコンテンツ。全体比で仕事は、7.4%増、趣味に至っては、11.6%も上回っている。逆に劣っているのは、それ以外のコンテンツ。ことに、ライフスタイルのコンテンツは、11.3%と、全体傾向の約半分の支持しか取り付けられていない。
同年代の女性は、どんな傾向なのだろうか(図13.)? 「仕事」と「趣味」を除く全選択肢で男性を大きく上回っている。「…お得情報」は、8.6%、「…生活情報」は25.6%、「健康面など…課題」は、14.8%、「ライフスタイル」は20.7%とそれぞれスコアが高い。なかでも、「…生活情報」は男性のダブルスコア。「ライフスタイル」に至っては、トリプルスコアに近い。一方、「仕事」は27.6%減、「趣味」33.5%と男性に比べ激減している。同じ年齢階級と言えども、男性と女性で、興味や関心のありどころが大きく異なっていることが、今更ながら確認できた格好となった。
55~59歳男性の傾向はどうだろうか(図14.)? まず、目につくのは「仕事」のスコアが高いこと。53.4%と、50~54歳男性を13.8%も上回っている。企業によっては役職定年制度などにより、そろそろ仕事の第一線を退く準備期であるにもかかわらず、仕事領域への関心は高い。
もう一つ、このセグメントに特徴的なことがある。それは、「健康面など…課題」のスコアである。50~54歳男性では、13.2%と比較的低い数字だったのが、55~59歳男性では、22.4%と、9.2%もスコアを伸ばしているのである。50歳代も後半になって、ようやく、健康面を中心とする生活課題に向きあい始めた…というところであろうか?
最後に55~59歳女性のセグメントを見てゆこう(図15.)。50~54歳女性との比較の上では、「…お得情報」や「…生活情報」のスコアは、ほとんど変化がない。大きく増えているのが「仕事」の6.2%、「趣味」に至っては、14.8%も増えている。反面、「健康面などの…課題」は7.5%、「ライフスタイル」は、27.5%も低下。4つのセグメントの中でも際立って低い数字になった。
「メルマガをもらってよい」と回答した人に問うた回答なので、N値が小さく、多少振れ幅が大きいことを勘案しても、セグメントごとの特徴が明らかになった。メルマガかどうかではなく、関心の高い領域は、セグメントによってもずいぶん異なると、再認識させられた結果となった。
株式会社 日本SPセンター シニアマーケティング研究室 中田典男
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