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室長の小部屋

あなたのメッセージはシニアに届いているか?
コミュニケーションにおける加齢現象とその対策
-第4回、気持ち、感情編-(全4回)

 人は歳をとると、心身にさまざま障害が出てくる。老眼、耳が遠くなる…いわゆる加齢現象である。シニアへのコミュニケーションを考えるとき、シニアの加齢現象への理解と配慮が欠かせない。でなければ、あなたの素晴らしい製品やサービスについての、大切なメッセージがシニアに伝わらないからである。

 シニアへの加齢配慮については多くの方々から、相談をいただいている。そこで以前にまとめたホワイトペーパー※をもとに、今一度、シニアの加齢現象とそれへの対処についてご説明したい。

※「シニアのギャップ コミュニケーションにおける加齢現象とその対策」
https://nspc.jp/senior/archives/6303/

 シニアとのコミュニケーションにおいて、配慮すべき加齢現象は以大きく4つに分類することができる。

1.眼、見え方の加齢現象
2.耳、聞こえ方の加齢現象
3.脳、理解力の加齢現象
4.気持ち、感情の加齢現象

今回はその第4回として
4.気持ち、感情の加齢現象
について考えてみたい。

若さ、健康、家族や友人、仕事…シニアは失うものが多い

 歳をとると身体的な変化や衰えから、以前はできていたことができなくなることも多い。さらに退職や子供の独立といった社会関係の変化、パートナーや友人との死別という人間関係の喪失も経験する。これらの変化によってはこれまでの生活習慣や人間関係からの変化を受け入れざるを得ない。これらの変化に上手く適応できないとき、失った能力や関係に対する「喪失感」が生まれる。

 大きな喪失感はさまざまな気持ちや感情の加齢現象を生む原因ともなる。加齢による
心の変化は悪いことばかりではないが、マーケターとしてはこうしたシニアの気持ちの
変化を理解しておく必要がある。

.気が短くなり、我慢することができなくなる

 シニアは喪失感やそのストレスから心理的不適応状態になることがある。そのときには意識する、しないに関わらず、さまざまな対処行動をとる場合が多い。心理的な安定を保とうとする働きをもっている「適応機制」あるいは「防御機制」と呼ばれている。そのパターンの一つとして、他者に対して大声で感情をぶつけたり、ときには暴力を振るうという攻撃的な行動をとることがある。

2.保守的傾向が強く、頑固になる

 シニアは新しいことを学習したり、理解したりすることは苦手であっても、それまでに得てきた知識や経験を活かして理解、洞察する能力は維持されるか、場合によっては若い世代より優れているといわれている。しかしこれまでの知識や経験がかえって自らの思考や行動を縛り、保守的傾向や頑固さが現れる原因となることがある。また新しいことに対して自分でできないと思いこんだり、拒否したりする場合がある。

年をとると頑固になる傾向がある

3.人に対してはきびしくなる

 他人の振る舞いなどで、それまでは許せたものが、許すことができなくなる。心の許容範囲が狭くなる傾向が見られる。そのためささいなことや自らの主張に反することで周りに対して批判的になる。

4.猜疑心が強くなる

 高齢になると疑いの感情をいだきやすくなるといわれている。置き忘れたものを盗られたと思ったり、敬老の意味で他者から親切をされても、なにか企みがあるのではと疑って、ポジティブに受け入れられなかったりする。認知症でよく見られる症状として「物盗られ妄想」があるので注意が必要。これは記憶障害によって、置き忘れた事実を覚えていないことに起因する。

5.健康状態への不安が高まる

 歳を重ねると病気や障害に苦しむ人や亡くなる人を目にせざるを得ない。だからシニアは「自分も今にああなるのではないか」という不安をいつも感じている。さらに独り暮らしでは症状を訴える相手がなく、不安が増大する。そのためちょっとした痛みや心身症状で「がんに違いない」「すぐに死んでしまう」といった恐怖にとらわれてしまう。そのことが精神的な負担となり、自閉的、内向的な傾向が強くなってしまうことがある。

 シニアとのコミュニケーションにおいて、加齢による気持ちの変化を理解しておかないと、伝えたいこと、理解してほしいことがまったく逆の結果をもたらすことになることがある。不満、怒り、不安…なぜシニアはそんな気持ちになるのか、そのことを考えながらコミュニケーションを図ることが大切である。

気持ち、感情のギャップへの対策まとめ

1.年齢による「決めつけ」をしない
年齢はあくまで「最大公約数」。♪人生、いろいろ、シニアもいろいろ。
能力も脳力もまたしかり。
2.ポジティブに
「いいえ」より「はい」、「だめ」より「できます」。否定的な表現は避ける。
3.こだわりポイントを見つける
コミュニケーションしようとするシニア層が持つ「こだわり」を見つけると、
話がスムーズになる。
4.前に座らず、横に座る気持ちで
という気持ちで。喪失感を持つシニアには「一緒に」という安心感を持ってもらう。
5.知らない言葉を使わない
「そんなことも知らないのか」というのはシニアの自尊心を傷つける。
新しい言葉、外来語、略語はできるだけ聞き慣れた言葉に置き換える。
6.過ごしてきた人生を肯定する
自分、自負、自慢、自信、…「自」のついた言葉を大切に考えて、
コミュニケーションを図る。
7.「 安心感」を大切に
シニアは振り込み詐欺や悪徳商法に狙われることが多く、
「騙されるのではないか」という疑念を持ちやすい。
自分が誰であり、何を目的にしているかのエビデンスをしっかり伝える。
8.「 ボケ」への不安を理解する
今のシニアは寿命の延び、医療の発達、宗教観の変化で、
「死」より認知症による「ボケ」を恐れていることを認識しておく必要がある。

見えるか、読めるか、聞こえるか、
わかるか、そして響くか

 これまで見てきたシニアの加齢現象を理解してこそ、シニアに対して「見える、読める、聞こえる、わかる、そして響く」コミュニケーションが可能になる。伝えたいことが、シニアに「この色使いで見えるか」「この文字の大きさで読めるか」「この文章やビジュアルでわかるか」「この表現で心に響くか」を確認することがシニアへのアプローチの第一歩である。

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