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データ図表だけをチョイスし、
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シニアとICTの利用については、打合せやセミナーの場で必ず聞かれる定番のテーマだ。とは言え、その想像力は人によってまちまちで、ネットをバリバリ使いこなすイメージから、全くの蚊帳の外のイメージまでさまざまな受け取り方をされている。具体的な数字で裏打ちされてはいるものの、その数字の評価は意外に難しい。コップの半分に水が入っている状態を「まだまだたくさんある」と捉えるのか「もうこれだけしかない」と捉えるのか、と同様のことだと言えそうだ。ことほど左様に、シニアとICTの親和性を評価は一筋縄ではいかない。
それでも両者の親和性は高まってきていることは間違いがない。株の世界で言う「強気」と「弱気」。どちらを重視するかは主観的な判断だが、客観的な最新の数字は、把握しておくのに越したことはない。本稿では、平成29年(2017年)通信利用動向調査から、ひとわたり浚っておくことにしたい。
図1.は、年齢階級別のモバイル機器の保有率をグラフ化したもの。緑がスマホ、赤がPHSを含む普通の携帯電話。青は、そのいずれかを保有している人の割合だ。
注目したいのは、60歳代。スマホ保有率がガラケー保有率を急追している。その差はわずかに5%。この2年前、2015年の調査では、両者の開きは32.3%にも上っていた。(2015年/携帯電話保有率:60.7%、スマートフォン保有率28.4%)スマートフォン保有率のみを比較すれば16.2%も伸びている。(2015年調査/60歳代のスマートフォン保有率:28.4%)
60歳代ほどではないが、70歳代も成長著しい。2015年には49%もあった両者の保有率の開きが2017年調査では37.5%までにその差を縮めている。。(2015年/携帯電話保有率:58.2%、スマートフォン保有率9.2%)スマートフォン保有率のみを比較すれば9.6%も伸びている。(2015年調査/70歳代のスマートフォン保有率:9.2%)
さらに上、80歳代ではこのようなドラスティックな変化は見られない。逆にすでに飽和状態に近い20~30歳代の若年層も同様である。「モバイル革命」の主戦場は、60~70歳代なのであり、しかも伸びしろもまだまだ大きいのだ。
図2.は60歳以上のシニア世代をさらに細かく5歳刻みの年齢階級に分けて、モバイル機器の保有率をプロットしたものだ。
ここから衝撃の事実(大げさか!)が浮かび上がってきた。60歳代前半の年齢階級では、スマホ保有率が携帯電話のそれを上回っているのだ。
2年前の同調査では、折れ線グラフの交点は50歳代にあった。つまり、50歳代半ばまでは携帯電話が優勢だったのだ。それが60歳代前半まで、スマホ優勢に「陣地」を広げている。
「ドッグイヤー」という言葉を聞かなくなって久しいが、こと60歳代のモバイル環境においては「ドッグイヤー」が続いているのだろう。
そのスマホの利用方法を年齢階級別に見たのが図3.。
すべての年齢階級において、SNSやメールの送受信の利用が活発なことが見て取れる。60~70歳代も若い人ほどではないが、結構利用は多い。年齢階級が上がるほど激減する動画やECとは様相が違っている。
他の年齢階級を圧して、70歳代で最も利用が多いのが万歩計や血圧計というのも、ちょっと面白い。(中に続く)
株式会社 日本SPセンター シニアマーケティング研究室 中田典男
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