データ図表だけをチョイスし、
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2020年1月31日
前回、「シニアにデジタルアプローチは届くのか」、「シニアにデジタル活用は受け入れられるのか」について論考した。今回は、シニアの行動からどういうコミュニケーションや販売促進策が考えられるか、考えてみる。
閲覧だけではない
行動を伴うシニアのIT利用
ICTをどう利用しているのか。60代以上の用途別インターネット利用率を見ると、閲覧だけではない。商品・サービスの購入・取引も行っていることがわかる。
ネット購入においてレビューが決定動機になったことがある人は、60代では82%。他世代と比べると若干少ないが、8割がネットショッピングでレビューを購入情報として活用しているのは意外に多いとみなさんも思われるのではないだろうか?
しかも読むだけではない。60代のレビュー書き込み経験率は、20・30・40代より高い。
60代では書く理由に、「ポイントや割引見返りのため」だけでなく、「自分の体験を他の人にも伝えたい」が多いことも目立つ。20代・30代に比べて、15%以上多くの方が書き込む利用として挙げている。
購入した商品・サービスの満足度が高ければ、それを発信。もちろん逆もまた真なりで、満足度が低ければそのことを伝える。シニア顧客は事業者側にとって、適切なビジネスに応分な評価をしてくれるだけでなく広告宣伝までしてくれる、努力のし甲斐のある顧客といえる。
シニアの利他行動に関する記事(「データと観察と高齢心理学にみるシニアの「利他ニーズ」)でも紹介したが、人は高齢になるほど利他的行動が高まる*。デジタル発信力を得たシニアへの適切な商品・サービス提供は、効率的な広告・宣伝がついてくると考えてよいのではないだろうか。その発信力や行動特性を生かした提案や配信環境を整備すれば、より効果的な広告・販促活動が展開できるかもしれない。
*アメリカの発達心理学者エリクソンの漸成的発達理論において、高齢者は次世代の育成(generativity)への関心が高くなるといわれている。
シニアの発信力・ネットワークは
デジタル活用で拡大中
シニアへの商品開発や広告宣伝として、あるいは口コミツールとして、SNSが役立つかどうかについてもまた、多くの方が検討しておられる。
正直、今のところシニアのSNS利用状況は、他世代と比べるとまだ低い。しかし1年での伸び方や、各年代が徐々に高齢になることを考えれば、SNSもシニアに対して大事な媒体・商品ツールになるだろう。
シニアに向けて気をつけるべき
SNSにおける空気づくり
シニアは以下のような点に注意を払ってSNSを利用している。
つまりシニアに向けて発信する場合、同様の注意を怠ってはならないと言える。事業側としては当然のことばかりではあるが、高齢者自身が注意しているという意識を持つことは大切だ。上記の姿勢は60代以上のSNS拡散の基準にも同様の傾向が見受けられる。
SNS拡散において、60代の基準は「共感したか」については他の年代同様重要であるが、「面白い」は低く、「情報の信ぴょう性が高い」を重視している。シニアに向けて発信する際、裏付けの大切さと分かりやすさが如何に重要か伺える。
ちなみに、シニアはSNS拡散をしているか?と疑問を持たれそうなので、次のデータも紹介しておく。SNS拡散をしないというシニアは、半数以下である。
以上、デジタルシニアの傾向についてご紹介した。現時点から、シニアへの商品提案、広告・販促活動においてデジタル活用は有意義といえるだろう。
株式会社日本SPセンター シニアマーケティング研究室 石山温子
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