日本の高齢者人口は3,600万人を超え、全人口の30%近くに及びます。この人口を一つの市場と捉えるのは最早無謀な試みと言えます。そこで、私どもシニアマーケティング研究室では、シニア市場をそれぞれ4つの類型に分けることを手始めにした、市場へのアプローチを提唱して参りました。
即ち、アクティブシニア・ディフェンシブシニア・ギャップシニア・ケアシニアの4つの特徴あるグループのことです。それぞれ、就労健常人口・非就労健常人口・有訴者人口・要介護等認定人口と考えていただければ理解が早いでしょう。
当研究室では、それぞれの人口の変化を考慮して、近年では毎年、最新のデータをアップデートしております。本稿はその改定第4版です。多少の数値には当然変動がありますが、大きな趨勢で見ると、昨年一昨年とドラスティックな傾向の変化はありません。それぞれの類型が高齢者全体に占める割合も、一定のパーセンテージに落ち着いているかに見えます。
本稿では、4類型の定義や解説だけではなく、それぞれのニーズや対応する製品・サービスまで、2軸4象限のマトリックス上に配置して、俯瞰できるようにしています。本稿が、シニア市場へのファーストアプローチの足掛かりになれば望外の喜びです。
株式会社日本SPセンター シニアマーケティング研究室 中田典男