データ図表だけをチョイスし、
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2017年4月26日
(「上」から続く)
では、実際にUTを体験した後、行動はどのように変化したのだろうか? 図3.は「旅行の頻度」に関して、UT後の変化を伺った結果である。
UTに初めて参加した後の旅行の頻度は、「増えた」が30%、「やや増えた」が24%。両者を合算した「増えた」は54%と過半数を占めた。「変わらない」も39%と一定数を占めているが、「減った」「やや減った」は合算しても7%に留まっている。UTがリピートを伴う、マーケティング的優等生の商品になっていることがわかる。
自由意見を見てみよう。(図4.)
「増えた」「やや増えた」と答えた方からは、精神的な充実感について喜びが寄せられている。「旅行の楽しさを再発見できた」、「ツアーに参加できる自信がつき、外出に積極的になった」、「旅行が生きる目標になり、体力があるうちに旅行に出かけたい」という意見に代表される。
また、「介助者の都合に関係なく、1人でもツアーに参加できる」と、制約条件の緩和が頻度アップにつながっていることが明らかになった。
一方の「変わらない」あるいは「減った」理由に心や気持ちの問題は認められない。挙げられているのは、「出発時間が早く、参加が難しい」、「日程の調整が難しい」、「出発日や時間が希望に合わない」など、概ね、時間的な制約に拠るものだ。「頻度が増えた」派とは、好対照の結果と言える。
以上のようなことから、参加者のUTに対する満足度は高いと推察できるが、「満足度」を直接的に問うた設問では明らかに数字に現れた。(図5.)
UT旅行商品への満足度は極めて高く、「大変満足した」「満足した」の合計は80%にも上る。一方、「不満があった」「やや不満があった」の合計はわずか8%に留まっている。とくに「不満があった」と答えた方が一人もいなかったことは特筆されてもよいだろう。
自由意見を見てみよう。(図6.)
満足したと答えた方からは、驚きと喜びが滲み出ているコメントが多く寄せられている。
「車いすでも参加でき、サポーターの支援のおかげで母の夢だった温泉に入ることができた」 「車いすを借りて旅行を楽しむことができた」「車いすのままバスに乗車し、車窓の景色を楽しむことができた」
車いすで参加できることに喜びを感じているコメントが多く寄せられているのが特長的である。単なる満足以の域を超えて、希望や生きがいの創出につながっているコメントも多く、UTの意義を再認識させられる結果となった。
一方、「やや不満」と答えた人のコメントでは、UTの送り手と受け手のマッチングが上手く行ってないことによるコメントも散見された。
「お風呂に段差があり、一度も入ることができなかった」「訪問施設の下調べが足りず、不便を感じた」などのコメントに代表される。
送り手側の責に帰するものとしては、「時間に余裕がない」「集合場所が遠い」「料金が高い」「発着が東京に限られている」という声も聞こえてきている。(このあたりの課題については次のアーティクルで再掲、詳述する予定。以下、「下」に続く)
日本SPセンター シニアマーケティング研究室 中田典男
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