データ図表だけをチョイスし、
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2017年4月27日
(「中」から続く)
ビジネスとして成立するかどうか? その帰趨は言うまでもなく、リピートオーダーを取れるかどうかにかかっている。図7.は利用者の再利用意向を問うた結果である。
再利用意向は非常に高いことが数字の上からも明らかになった。「是非利用したい」と、強く再利用意向を示した人が約4割に達している。「機会があれば利用したい」とやや消極的な人も加えれば、再利用意向を示した人は95%に上る。マーケティングデータとしては極めて珍しいほどの好結果と言える。
残りの5%の人が「どちらとも言えない」と回答しているが、驚くべきことに、大抵はある一定数で存在する、「あまり利用したいとは思わない」「利用したいと思わない」という否定的な意見は皆無であった。
自由意見(図8.)は、概ね承前のものとシンクロしているが、時間の切迫感から再利用したという意見が特徴的だ。「年々体力が落ちているが、元気なうちに機会があれば参加したい」という声に代表される。
一方で前向きに捉えている意見としては、「新たな目標として楽しみが増え、生きがいを感じている」という声も聞こえてきた。暮しのメルクマールになっているわけで、このように考えるとUTの存在意義は限りなく大きいと言えるだろう。
満足度が高く、再利用意向も極めて高いUT商品ではあるが、まだまだ改善すべき点はたくさんある。
図9.は改善すべき点をカテゴリー別に集計したもの。改善(すべき)点が最も多いのが「旅行商品の金額」で56%、次いで「旅行商品の内容・サービス」(43%)が続く。
自由意見(図10.)の金額に関することでは、介助者・同行者分についての割引や公的な補助金を望む声が目についた。やはり人的コストは大きな負担になっている。
内容・サービスに関することには、多くの意見が寄せられた。目についたのは、自宅から集合場所までのアクセスについてである。「集合場所が毎回異なり、参加するたびに不安を感じている」、「集合場所まで介護タクシー等で移動するため、集合場所をもう少し選択できると大変助かる」、「自宅から集合場所までの移動サポートがあると参加者がもっと増える」といった意見が該当する。
意外な盲点なのだが、参加者にとって出がけの不安は最も強く、その不安をまず払拭することが必要だと改めて感じさせられた。
旅行の種類に関することでは、バリエーションの豊富さを望む声が多く寄せられている。「手軽に参加できる日帰りツアー」「食事をメインにしたツアー」「体験型のツアー」などがそれにあたる。一般の旅行商品ではこれらのバリエーションはすでに豊かだが、UTにもお仕着せではないレベルまでバリエーションが求められているということだ。
最後に「UT旅行商品に参加した以降の心の変化」の設問の結果を見てみよう。(図11.)
上位3項目は概ね数値が拮抗しているが、最も高い評価を得たのは、「次回の旅行参加が生きがいになった」という心境変化である。それに「社会参加への自信がつき、興味や関心が増えた」、「介護サービスの利用(通所等)や通院、リハビリ等への意欲が増した」と続く。UTがきっかけで参加者が心身ともに前向きなベクトルを取り戻しているありさまがよくわかる。
改善点はまだまだ多いが、UTは介護高齢者の活性化にますます重要なポジションを占めてゆくだろう。
日本SPセンター シニアマーケティング研究室 中田典男
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