【高齢者のいる世帯】
平成26年の国民生活基礎調査によると65 歳以上の者のいる世帯は2357 万2 千世帯(全世帯の46.7%)。世帯の構造をみると、「夫婦のみの世帯」が724 万2 千世帯(65 歳以上の者のいる世帯の30.7%)で最も多く、次いで「単独世帯」が595 万9 千世帯(同25.3%)、「親と未婚の子のみの世帯」が474 万3 千世帯(同20.1%)となっている。
つまり、高齢者のいる世帯のうち、子と同居しない「単独世帯」と「夫婦のみ」が56%と半数を超える。
【高齢者の家族形態】
高齢者の家族形態を(世帯ではなく個人)でみると65 歳以上の者は 3432 万 6 千人となっている。そのうち「子と同居」の者が 1394 万 1 千人(65 歳以上の者の 40.6%)で最も多く、次いで「夫婦のみの世帯」(夫婦の両方又は一方が 65 歳以上)の者が 1304 万 3千人(同 38.0%)、「単独世帯」の者が 595 万 9 千人(同 17.4%)となっている。
ただ、「子と同居」は減少する傾向にあり、次の調査で「夫婦のみの世帯」が首位になる可能性が高い。
現在でも「単独世帯」と「夫婦のみの世帯」を合わせると半分を超えている。
75歳の後期高齢者になると、やはり子に世話にならざるを得ないのか子夫婦と同居が増える。しかし、独身の子との同居が減るので、合わせると45%、わずか5%増えるだけである。
つまり、いまの日本では65歳以上で6割弱、75歳を超えても5割以上の高齢者は夫婦のみか単身で暮らしている。
その推移を見てみよう。昭和61年(1986年)から平成7年(1995年)、平成26年(2014年)の家族形態の変化は明らかだ。この30年で子夫婦と同居している高齢者は3分の1以下に減っている。子夫婦と同居している高齢者はすでに1割ちょっと。65歳から74歳になると更に減ってわずか7.2%、1割以下である。
逆に独身の子との同居はこの20年で1.5倍、3割近くに増加している。これは子世代の未婚率の増加による。合わせると子と同居している高齢者は約4割。30年前の6割から2割も減っている。
75歳の後期高齢者になると、やはり子に世話にならざるを得ないのか子夫婦と同居が増える。しかし、独身の子との同居が減るので、合わせると45%、わずか5%増えるだけである。
つまり、いまの日本では65歳以上で6割弱、75歳を超えても5割以上の高齢者は夫婦のみか単身で暮らしている。
この傾向はこれまでの推移から見て、いっそう顕著になると思われる。「年をとったら子と一緒に暮らして面倒をみてもらう」ことは難しい。さらに核家族化をすすめた団塊世代は「親は親、子は子」と、子に面倒をみてもらうことも好まない傾向がある。
まさに高齢者は『子立』している。そうした高齢者が自分だけ、自分たちだけで生活ができなくなったとき、誰が、どんな社会的なシステムでささえてゆくのか。その問題は見えているが、解決策はまだ、十分とはいえない。
株式会社日本SPセンター シニアマーケティング研究室 倉内直也
2024年11月11日
2024年6月24日
2024年6月3日