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最新版、高齢者の家族形態。意外な事実も明らかに(下)

(上から続く)
 本項では、高齢者世帯という限られた定義の中ではなく、「高齢者が住む家族形態」という観点から見てゆくことにしよう。高齢者全体を捉えていることになるので、より実感に近いと感じることかと思う。(図6.)

 「おひとり様」は確かに約30年間で増加はしているものの(前項図1.参照)、全体で見ればそのプレゼンスは大きいとは言えない。とくに男性では、全体の12.9%に留まっている。
 男性で最も多いのが夫婦のみ世帯で全体の50%近くを占めている。次いで多いのが「配偶者のいない子と同居」で26.2%。両者を合算すれば、全体の4分の3近くに上る。男性高齢者の家族形態は、比較的シンプルだと言えよう。

 一方女性は、男性に比べるとその家族形態は変化に富んでいる。特徴的なのは「夫婦のみ世帯」の比率が男性に比べてずいぶん少ないこと。その埋め合わせのように単独世帯が増えている。
 
 男女とも、一定のプレゼンスを示しているのが「配偶者のいない子との同居」という家族形態。年を追うごとにその数字を伸ばし続けているのだ。(前項図1.)
 晩婚化・非婚化の傾向もその一因だと思われる。さらにはその遠因に子世代の経済的な困窮という側面も見えてくる。高齢者の家族形態の典型の一つとして、今後ますます増えてくるのではないかと思う。

 図7.は男性の年齢階級ごとに家族形態別構成比を見たものだ。
 4つの年齢階級でいずれも、夫婦のみ世帯が断トツで多い。ことに70歳代では、夫婦のみ世帯の比率が高く、70~74歳、75~79歳でいずれも50%を上回る数字を記録している。65~69歳では、「配偶者のいない子との同居」が比較的多く、80歳以上になれば逆に子夫婦との同居が増加している。この家族形態を見る限り、70歳代男性は、比較的波風の立たない家族環境にあることが見て取れる。

 一方、女性は年齢階級によって、家族形態別の構成比がずいぶん異なっている。(図8.)
 仔細に見てゆこう。65~74歳、つまり前期高齢者の間は、男女間で大きな隔たりはない。様相を異にし始めるのは、75歳以上、つまり後期高齢者に差しかかってからだ。「夫婦のみ世帯」をみると、女性の場合、75~79歳の年齢階級で、37.1%まで減少。同年齢階級の男性に比べて、17.8%も低い。80歳以上になればさらに減少し、「夫婦のみ世帯」は17.5%と少数派に転落する。男性の45.3%と比べてみればその数字がいかに低いかがわかる。
 逆の面からみれば、その減少分は、「単独世帯」・「子夫婦と同居」という家族形態の増加によって補填されている。「夫婦のみ世帯」の減少理由の多くは、夫との死別によるものだろうが、後期高齢者女性の家族形態の分散傾向は、マーケティング的にも、しっかり押さえておく必要があるだろう。
 
 もう一つ、「配偶者のいない子との同居」という家族形態に注目したい。本項の冒頭でも触れたことだが、この家族形態は年を追うごとに増えている。但し、年齢階級が上がるに連れて、急速に減るだろうと推察していた。が、さにあらず。
 男性、女性とも、65~69歳が最も多いのはわかるとして、その後の減り様は、「漸減」というべきほどのレベルなのだ。
80歳男性で「配偶者のいない子との同居」という家族形態は22.1%、女性で23.8%とここでは男女差はほぼない。
 80歳時点で「配偶者のいない子との同居」の子は最早中高年。過渡的な家族形態とは言えず、この形で安定した家族形態を形成しているのだ。この現象は今後さらに定着すると思われる。
 この家族形態が、マーケティングにおいて吉と出るか凶と出るかは、まだ定かではない。

    株式会社日本SPセンター シニアマーケティング研究室 中田典男
 

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