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white paper【22】「ワーキングシニア10のキーワード」(働くシニア編)を公開しました

本稿を発行するにあたって
 2020年10月から12月にかけて、当シニアマーケティング研究室では、ワーキングシニアの就労実態と就労意識についての定量及び定性調査を実施しました。

 その中で多くの興味深い結果が得られました。暦年齢を基準とした、現役vs老後・余生という概念は、意識の上では最早過去のものになりつつあり、定年も形として残るが「働ける間は働くが当たり前」というリタイアレス時代が来ているということが、今回の調査から明らかになりました。

 本稿は調査結果から、現在働いているシニアの方、新しい仕事に挑戦しようとしておられる方に、ぜひ知っていただきたいポイントを、10項目に厳選してそれぞれ考察を加えたものになっています。

 同じ働くシニアとして、どのような職業を選び、どのような職業意識をもっているのかを知ることは、決して無駄にならないと思います。

株式会社日本SPセンター シニアマーケティング研究室 中田典男

1.「60歳以上」は一律ではない
2.75歳以上で働くには、「職業力」が必須
3.男65歳、女70歳が、新規就業の画期
4.「第3の収入」を得ている人は意外に多い
5.健康維持を目的に働く人は、半数近い
6.「非生活原資のためにお金を稼ぐ」が過半数
7.稼いだお金は食費に回る
8.働くシニアは「可能な限り働きたい」
9.働いても、他の時間は減りません
10.百花繚乱。70~74歳女性の働き方

 10のキーワードの中には、「やはりそうか!」と首肯できるものと、「意外だ!」と気づかされたものが、混在しているかと思います。
 それでは次ページから、エビデンスとともに、それぞれのポイントを考察してゆきたいと思います。

 一言でワーキング・シニアと言っても、性別・年齢別に全く異なる様相を呈していることが調査の結果明らかになりました。

 図1.は60~64歳に男性に働く意義を問うたもの。「所得」が圧倒的な1位を占めていることがわかります。この層の多くは、60歳定年後の雇用延長期間にあるか、もしくは、65歳定年を間近に控えた人たちでしょう。
 おそらく、その勤務観は、50歳代のころと、それほどの差はなく、家や家族を守るための勤務だと考えるのが普通ではないかと推察しますが、思い当たるふしもありのことと思います。
 従来なら50歳代が覚えていたであろう職業観が、人生100年時代を迎え、後ずれしてきているのかもしれません。

 図2.は70~74歳女性のケース。「所得」が同じく1位ではあるものの、60~64歳男性に比べ、就労に対する価値観の振れ幅が、ずいぶん豊かになってきているとお気づきだと思います。複数回答の回答数自体も大きくなっていて、就労に関して多様な意義を感じていることが窺えます。
 このように、一つを取り上げても「働くシニア」はワンパターンではないということがお分かりいただけると思います。

 労働市場からの逸脱が甚だしくなる、つまり高齢化するほど、専門性を有する職、フルタイムの職務に従事する人が増加していることが明らかになりました。65~69歳、70~74歳では、4つの象限に均等に分布しています。ところが、75歳以上になれば、その分布は、ほぼ第1と第4象限に限られてくるのです。高齢になっても仕事も維持できるには、即ち、「専門性orフルタイムで働ける健康な身体」を有することが必須条件になると言えます。当研究室では、この力を仮に「職業力」と名付けてみました。

 従来、75歳以上ともなると、労働市場から逸脱するのが当然でした。逸脱しても年金等の制度設計でしっかり守られていたからです。ただ、今後はそうはいきません。制度で保証される確約はありません。職業力は、自身の経験とスキルをシビアに棚卸しすることから始まります。ゼロベースではなく、今まで培われたところにプラスする形で学びがあるのです。その学びに年齢制限はありません。

「もとの職場のまま継続勤務」という職業経験は、60~64歳まで。男性では65歳、女性では70歳を画期に、「新規分野への就業」が職業経験の主流になっています。被雇用者の場合、従来の延長線上で勤務を継続するケースがほとんどです。経験を活かせるのとストレスが少ないことがその理由…と言われればうなづく方も多いのではないでしょうか?

 しかし雇用延長制度の年限を超えると、否が応でも新規就業体験に向き合わなくてはいけなくなります。働かなくても生活に困らない恵まれた人はそれで良いでしょうが、今後は就労することが当然の環境になると思われます。
 より高齢になって、新しい職業経験が求められるシビアな時代に、今一度働きたい仕事への備えを十分にしておくことが求められるでしょう。

 勤労所得や年金収入以外に収入のない人は、300人中202人。全体の3分の2に上ります。多くが「日本的雇用環境」下で、仕事をしてきた人にとって、この数字は想定内でしょう。しかし、見方を変えれば、それ以外の「第3の収入」を得ている人も、全体の3分の1、約100人に上ります。決して少数派ではありません。
その金額帯は、5万円以下が大半を占めています。「小遣い程度」の額かもしれませんが、この額がフローに回せるとなれば、大きな福音と言えます。

 働き方改革が提唱されてすでに久しいですが、フルタイム、パートタイム以外の多様な働き方も生まれつつあります。すき間時間とすき間ジョブをマッチングさせる取り組みなどは、今後ますます盛んになるでしょう。
 こういう社会の動きにキャッチアップしてゆくことこそこれからは大切です。

健康維持を目的に働く人は、半数近い
 「働く」ということと「健康」が密接にかかわっていることがわかりました。それも働く条件としての「健康」ではなく、「健康」は目的で、その手段が就労であると、言わば主客転倒の価値観が生まれているのです。 

 図6.は回答者全員に働いている理由を問うたもの。「健康を維持したいため」と答えた人は、135人。全体の50%にあたる150人にまで届こうかという数字です。
 「健康を維持したいために働く」人の割合は、年齢階級が上がるほど高くなり、75歳以上では男女とも、「生きていくためのお金を稼ぐ」を抜いて、働く理由のトップを占めています。

 「働き続けることこそ健康の秘訣」。多くのシニア層では、すでに常識になりつつあるようです。

 「お金のためだけに働くのではない」と考えるのは、後期高齢者だけではありません。
 図7.は調査対象の全年齢階級に対して、「働く理由」を単独回答で尋ねたものです。

 全回答数の中で「生きていくためのお金を稼ぐため」という回答は、合計で149回答でした。50%にあたる150人にも満たない数字です。裏から見れば、過半数のシニアの「労働理由優先順位1位」は、お金以外のところにあるのです。

 前項維持したいため」ばかりではなく、「生活の質を上げるため」、「知識や技能を生かしたい」という声も多く目立ちます。
 このようにシニアの就労動機は多様性を帯びてきています。

「就労によって得た収入を何に使うか」の回答として最も多かったのが食費です。75歳以上男性を除けば、すべて、全選択肢の中で、第1位を占めています。
 とくに60~64歳女性では40名のうち、28名が「食費」を選択しています。60~64歳男性、70~74歳女性も26名と高スコアになっています。

 高齢になれば、食事の量も若い人に比べて減ってきます。少しずつ、良いものを食べたいというプチ贅沢への思いが反映されているのでしょう。
 あるいは、食は運動と並ぶ健康の基本要素ですから、健康意識の上でも、良いものを食べたいという意識が働いているようにも推察できます。

 「いつまで働きたいか」の質問の回答で、圧倒的に多かったのが、 「可能な限り働きたい」。257人(約86%)がそう考えていることがわかりました。
 年齢階級別にみると、75歳以上がことに高率で、男女とも年限を区切った人は一人だけで、残り全員が「可能な限り働きたい」と回答しています。比率で言えば、97%にも上ります。労働市場に残っている少数の後期高齢者の労働意欲は極めて高く、生涯現役を目指していると言えます。

 好むと好まざるとにかかわらず、「生涯現役」は、諸事情からデファクトになるだろうと思われます。労働市場に残れるだけの、身体的あるいは能力的リソースが蓄えられているかが、今後はミドル世代に問われます。

 「就労に時間を割けば、他の時間が削られる」…。常識的にはこのように考えられがちですが、決してそうではないことが明らかになりました。「働くことで減少した時間」を問う質問では、「いずれも当てはまらない」即ち、「減少した時間はない」という回答が148と全体の約半数を占めて第1位。第2位の「趣味の時間」が77人、第3位の「友人との時間」が69人ですから、その他の選択肢を大きく引き離す結果となりました。

 趣味の時間など、自由で楽しめる時間を犠牲にしたくないという理由で、就労をためらっている方もおられると思いますが、多くのワーキングシニアは、時間を有効に使いながら、趣味や友人との時間などを楽しんでいるようです。

 働くシニアの8つのグループの中で、働き方に最も多様性が認められるのが70~74歳女性のグループです。職務内容の多様性もさることながら、働く時間帯も変化に富んでいます。この多様性は、シニアだけでなく、全世代のロールモデルのひとつになる可能性を秘めています。

 働き方改革の前提は、長時間労働にあります。高度成長期のそのイメージが強いこともあって、就労が必要悪という受け取り方は根強いものがあります。しかし、働くことが健康に直結することが明らかな現在、個々人の条件に応じた働き方を多彩に用意することは、健康寿命を延伸させ、ひいては医療・福祉のコスト軽減にもつながります。70~74歳女性の働き方を範の一つとすべきでしょう。

上記の内容のホワイトペーパー(PDF)を以下からダウンロードいただけます。
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調査概要
● 調査時期 2020年10月
● 調査方法 インターネットリサーチ
● 調査地域 全国 
● 調査対象 60歳以上の仕事を持つ男女、計300名
      60~64歳男女各40名
      65~69歳男女各40名
      70~74歳男女各40名
      75歳以上男女各30名
● 調査事業者 ㈱日本SPセンター シニアマーケティング研究室
● 調査協力 ㈱アスマーク

設問一覧
● 回答者属性
・ 婚姻状況 
・ 職業 
・ 同居家族 
・ 住居形態

● 就労実態
・ 現在の働き方に至るまでの経緯
・ 現在の働き方にあてはまるもの
・ 家庭の月の収入について(勤労所得)
・ 家庭の月の収入について(年金収入)
・ 家庭の月の収入について(その他の収入)

● 就労意識
・ 働いている理由(複数回答/単数回答)
・ 就業で得たお金を何に費やすか
・ 職業観、働くことの意義
・ 仕事をする上での問題点や悩み
・ 何歳まで働き続けたいか。
・ 働くことにより増加した時間
・ 働くことにより減少した時間
・ テレワークへの対応・意見等

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体裁:PDFデータ(全244ページ、ダウンロードのみ)
価格:一般 50,000円(税込55,000円)
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「調査報告書本編」の内容

● 全ての調査項目の回答(5歳刻み、男女別)
● ディプスインタビューの記録(60歳代男女・70歳代男女計4名)
● ワーキングシニア20のキーワード

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