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室長の小部屋

シニア市場開拓に勧めたい、
コンテンツマーケティング(上)

 ここ数年、多くのマーケッターが取り組んできているコンテンツマーケティング。そのメリットは2点。1点目は「生活者の購買態度変容に即応して、適切なコンテンツを提供できる」。2点目は「見込み客の課題解決に貢献し、信頼関係を醸成できる」。これらのメリットから、シニア市場開拓に極めて親和性の高いアプローチと言える。その理由をシニアの特性とともに追っていきたい。

※コンテンツマーケティングについて、詳しくは当社、株式会社日本SPセンターのコンテンツマーケティングラボをご参照ください。

 シニア市場開拓にコンテンツマーケティングがなぜ有効か。以下、7つの理由があげられる。

1. シニアに必要な情報は、加齢に伴い変化する。つまり購買態度変容と加齢による心身の変化がシンクロしている

2. 視力、聴力、記憶力など身体的変化に始まり介護保険といった制度利用など、周りから経験談を聞いていても、自身は未経験なニーズ。課題解決にはTeach&Sell、即ち「教えて売る」ことが必要な場合が多い

3. 「シニア」という一つのカテゴリーで捉えられがちだが、実際は、長年の人生の積み重ねによって多様である。だからこそ見込み客であるペルソナ作成が有効

4. シニアが購入する比較的高額な製品やサービスには、買替機会が生じないものが少なくない。失敗のない購入を支援するには、カスタマージャーニーマップが有効

5.カスタマージャーニーを辿る密なリレーションシップが、製品・サービスへの信頼につながる

6.Web検索によって情報を収集している年代が、既にシニアになりつつある。今後、Webによる情報発信がますます重要になる

7.高齢者の特性、「よいことは伝えたい」利他的行動が、コンテンツマーケティングを通じて発動される

1.シニアの日常生活に必要な情報は、
 加齢に伴い変化する

 シニアが欲しい情報に関する調査結果を見てみよう。

「高齢になれば自らの身体の変化に気づき、友達が病気にかかれば自らを振り返る。当然、健康ニーズは高くなるだろう」「仕事をリタイアすると多くの人がボランティアで活躍するイメージがあったけれど、意外と少ないな」。そんな感想をもつ人も多いだろう。

 この60歳以上の調査内容を年代ごとの数値で見直すと、それぞれの特性が見えてくる。

 健康づくりに関する情報は幅広い年代で必要とされているが、ピークは70代。健康保険制度が75歳を境に前期高齢者と後期高齢者に分かれているのは、一般的に75歳を超えると健康に支障をきたす人が多いからである。70代で健康に課題や不安を感じる人が多くなっているのも頷ける。80歳以上で徐々に減少している理由は、高齢心理学でいう「老年的超越」を得ていることも関係しているのではないだろうか。この年代になると「現状をあるがまま受け入れる」力が発達し、心理的well-being※1の低下が小さいと言われている。

※1 心理的well-being:well-being は「よい状態」「幸福」「満足感」「充実感」等と訳されるが、様々な意味を含有するため、心理学では well-being としてそのまま用いられることが多い

 シニア消費の代名詞の如く語られてきた「趣味・スポーツ、旅行、レジャー」は、「60-64歳」で30.7%。年代が上がるに従い、情報ニーズは低下。80歳以上、85歳以上で「在宅ケア、介護、家事援助」の情報ニーズが高まる。夫婦による老々介護が多いということだろうか。

 「高齢者」と一口で語られがちであるが、年代によって情報ニーズが異なることはこの表を見るだけでもわかる。言い換えれば、個人の情報ニーズは加齢によって変化する、ともいえる。

2.シニアの情報接触はテレビだけではない

 文字情報がTach&Sellに生きる

 テレビを利用している方が多いが、この調査を別の角度から見ると下記のような結果も得られる。

 ある一定以上収入が高いと、「新聞」「ネット、携帯電話」の利用が増加。

 しっかり読める、読み返しもできる。図表など補助資料もあって深く理解できるコンテンツは、誰にとっても有効である。自分のペースで情報を消費して理解できる媒体は、高齢者にはより役に立つ。年を重ねると短時間で理解する、長期に覚えておく、すぐに思い出すことに課題が発生しがち。そんな場合も、活字であれば再確認も容易。有効な情報入手手段である。

 心身の変化から生じる課題を解決したいシニアに「教えて売る」。文字情報によるコンテンツは重要。しかも収入の高い方に対して、より効果を期待できる。

3.シニアは多様!参入するには

 ペルソナ作成が重要

 高齢市場に参入する場合、ステレオタイプな高齢者像を考える人は少なくない。しかし、高齢者は非常に多様である。若い高齢者でも65歳。歩んできた時間の分だけ、一人のシニアとシニアの距離の隔たりは大きくなる。たとえて言うと扇が広がった先の点と点の距離は、手前の点と点より遠くなっていることと似ている。 高齢になるほど個人差が大きくなることは、研究からも示されている。

 高齢者市場は「65歳以上人口」と、まとめて捉えられることが多い。包含されている方々の年齢差は大きく、それをひとまとめにしているだけでもおおざっぱ過ぎる。加えて示したとおり、年を経るほど個人差は拡大。分けて考えなければ、ニーズに応える提案は不可能だ。(へ続く)

株式会社日本SPセンター シニアマーケティング研究室 石山温子

<シニアマーケティングに関するお問い合わせ>こちらのメールアドレスにお気軽にご連絡下さい。

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