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シニアの就業。5年間でどう変化したのか?②

 前項では、60歳代の有業率向上のありさまを見てきたが、有業者の実数という観点で見ればどうだろう?




 図4.は、各年齢階級ごとに5年間の有業者(男女計)総数の増減をグラフにしたものだ。青は増加を、赤は減少を示している。5年間で大きく実数値を増やしたのは45~49歳、65~69歳の二つの年齢階級。逆に5年前を大きく割り込んだのが、35~39歳、60~64歳の二つの年齢階級という結果になった。隣接した二つの年齢階級、即ち、60~64歳と65~69歳で、大きく明暗が分かれたことは興味深い。とりわけ、有業率で大きな伸びを示した60~64歳が、5年を経て実人数を大幅に減らしている。この矛盾をどう考えればよいのだろう?

 矛盾を解く一つの鍵は「人口ピラミッド」にある。(上図) 5歳刻みの年齢階級だと、5年前には、一つ若い年齢階級に属することになる。2017年に65~69歳の年齢階級に属していた人は、2012年時点では60~64歳の年齢階級だったということだ。そしてこの二つの「世代」の出生数には、大きな隔たりがあるのだ。これこそが、比率上昇・実数減少の矛盾の答に他ならない。

 平成29年1月1日現在の住民基本台帳人口に拠れば、65~69歳の人口は、10,172,843人。対して60~64歳の人口は 8,049,467人 に過ぎない。両者の差は、212万3千人にも上り、比率に直せば、60~64歳人口は一つ上の年齢階級の約80%に留まっている。

 単年で見ればその乖離はさらに著しい。第2次ベビーブーム、即ち団塊の世代の中でも、1949年出生数は、約270万人に上っている。1949年を頂点にその後の出生数は目に見えて減少する。その減少の底と言える年が1957年にあたる。その出生数は約157万人。1957年の出生数は、驚くことに1949年の58%に留まっているのだ。

 この圧倒的な人口プレゼンスの差はマーケティング的にはよく考えておくべきことである。今後シニア世代にさしかかるポスト団塊の世代の市場は、団塊のそれの八掛けの規模に留まることを織り込むべきなのである。これは、労働市場に限った話ではない。

 同様の現象は若年層でも見受けられる。5年前に比べて、突出して増加している45~49歳の年齢階級がある。この世代は、第2次ベビーブーム、即ち団塊ジュニアに相当する。




 話が些か横道にそれたので、本題に戻そう。図5・図6は、5年間の有業者の増減を男女別にみたものだ。

 65~69歳、60~64歳の二つの年齢階級に注目してみよう。男性に比べて女性の方が、60~64歳の減少幅がずいぶん小さくなっていることがわかる。女性の有業者はそれほど減っていないのだ。

 この要因の多くは共働き世帯の増減に寄るものかもしれない。全世帯における共働き世帯は、増加の一途を辿っているが、1980年から992年頃までは、その差を縮めながらも、「男性雇用者+専業主婦」が共働きを上回っていた。両者がほぼ拮抗し続けるのが、概ね1992~2001年。その後は共働き世帯が上回り続け、両者の乖離は著しくなる一方、という傾向にある。

 一般的に子育てが一段落する頃に、再就業するか、あるいは専業主婦の道を選ぶか? 65~69歳では、子育て一段落時が専業主婦優位の時代であったため、共働きに与しなかった、その結果が60~64歳女性有業者の比較的緩やかな減少につながったと考えるのは早計であろうか?



  図7.は有業者に占める年齢階級別割合を5年間で比較したもの。概ね人口ピラミッドを反映した結果になっている。

  65歳以上の高齢者だけを取り上げれば、5年間で3%増加し、2017年は13.2%という数字になっている。高齢者人口を分母にとれば有業者の割合は、約23%になる。

 ㈱日本SPセンター シニアマーケティング研究室 中田典男

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