データ図表だけをチョイスし、
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社会貢献、地域貢献の担い手としてシニア世代が脚光を浴びて久しい。高齢者施設で、駅前など公共の場でアクティブに働く姿を見かけることも当たり前になってきた。だが、その実態や内訳はあまり知られていない。
本コラムでは、主に「平成26年 NPO法人の活動と働き方に関する調査(労働政策研究・研修機構調べ)」のデータを中心に非営利の活動に従事するシニアの姿を見て行きたい。
図1.は団塊の世代を対象に「今後参加したい社会活動」を尋ねたもの。(内閣府調べ)
男女ともトップは「趣味・スポーツ活動」であるが、このような私的なものを除外すれば、男女とも、社会や地域に貢献する活動が上位を占めている。
男性では、「地域行事を支援する活動」「地域の伝統や文化を支える活動」「自治体・町内会・NPO団体等の役員、事務局活動」が、トップ3。
一方女性では、「一人暮らしなど見守りが必要な高齢者を支援する活動」「子どもを育てている親を支援する活動」「地域行事を支援する活動」がトップ3に挙げられている。
地域・家庭という差はあるものの、地元で地に足の着いた社会貢献活動への参加意欲は非常に高い。
参加意欲はそのまま実態に反映されている。
図2.は、定年退職者のNPO法人における活動分野の分布を見たもの。
「健康・医療・福祉」「国際協力」の分野でこそ、定年退職未経験者が上回るものの、その他の分野では、定年退職経験者の比重が高い。前述の「参加要望活動」とほぼ同様の結果になっていることがわかる。とくに、「まちづくり・観光振興・地域振興」の分野では、定年退職経験者がいなくてはやっていけない状態になっていることが容易に想像できる。
では、NPO法人内で定年退職経験者はどのような「身分」で、どのような「役割」を担っているのだろうか?
図3.はNPO法人内の身分や役割別に定年退職者の占める割合のグラフ。
これを見ると無償ボランティアの「定年退職者比率」が目立って多い。ボランティアの半数近くが定年退職者で占められている。事務局に従事する事務局ボランティアだけを取出しても3人に1人は定年退職経験者なのだ。
事実、NPO法人での活動開始年齢は、男性では60代がトップで、僅差で50代が続く。(図4.)いずれにしても「定年」を見据えた上で、活動を開始したと思われる。対照的に女性では、40代に開始した人が突出している。子育てに一区切りがついたと言う余裕の現われでもあろう。
図5.は、年齢階層別にNPO法人での活動継続期間をグラフ化したもの。
年齢階層が上がるにつれて、活動継続期間も長くなるのは、常識として肯えることではあるが、特徴的なのは、70代以上のデータ。ここへきて、活動期間10年以上20年未満の人が、グンと増えている。
ここでもやはり、こと男性に関しては定年退職を機にボランティアに目覚めた人が多い傾向が窺える。
(以降、下に続く)
日本SPセンター シニアマーケティング研究室 中田典男
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