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よりよく歳をとる。長生きをリスクにしない 
生き方を叶える環境とは? 

2017年の人生100年時代構想会議から、6年 
プレシニアは、高齢期に対する意識はあっても行動は難 

 2023年に当室が40代後半から50代男女に実施した調査によると、70歳頃の高齢期を考える人は8割。「健康」、「お金の準備」を意識している人は9割前後、「人間関係(社会生活)を豊かにする」を意識している人は5割超。しかし行動している人は意識している人より、いずれも大きく減少。
 一番多くの人が行動している「健康」に対しては、55.7%だった。

シニアマーケティング研究室 調査結果
whitepaper【50】プレシニアの高齢期に対する意識と行動(ソナエマーケティングの素地 プレシニアとシニアの現状と振り返り、未来に関する調査)より

高齢期に向けて少しずつ
女性の方が意識も行動も積極的

 上記は全体の数値だがこれを男女別で見てみると、意識も行動も少しずつ女性の方が高いことがわかる。

whitepaper【50】プレシニアの高齢期に対する意識と行動(ソナエマーケティングの素地 プレシニアとシニアの現状と振り返り、未来に関する調査)より

 「お金の準備」を行動できている人は、男性の方が1.4%多く、それ以外は意識も行動もすべて女性の方が多い。さらに行動において「あてはまるものはない」と答えた人は、男性では女性より5.4%多い。この背景を探ると、以下のようなデータがある。 

なぜ男女差?高齢期に対する意識と行動 

2023(令和5)年3月発行 「生活保障に関する調査」生命保険文化センター(2022(令和4)年度調査実施)

 男女で比較すると明らかに女性の方が、いろいろなことに多くの方が不安を感じていることがわかる。 
 未来に対する意識の男女の違いは、「日ごろの生活や将来にむけた不安」というネガティブ事象への懸念具合だけではない。以下のようにネガティブ、ポジティブに偏らないライフイベントそのものへの意識にも違いが見受けられる。

2023(令和5)年3月発行 「生活保障に関する調査」生命保険文化センター(2022(令和4)年度調査実施)

 必ずしもマイナス的事象に限らないライフイベントの検討においても、男性より女性の方が多くの事象に対して多くの方が考えている。
 ライフイベントとして「老後生活の充実」を考えている人も、男性より女性の方が明らかに多い(男性:41.3%、女性:54.2%) 

 ちなみに、同質問に対して「考えていることはない」という方は、男性の方が多かった。 

2023(令和5)年3月発行 「生活保障に関する調査」生命保険文化センター(2022(令和4)年度調査実施)

男女差はどこから生まれる? 
健康を気を付けるきっかけに違い

 このような男女の違いを背景から紐解くのに、ひとつ、次のデータに注目したい。健康に対する意識・行動に影響を与える対象が、男女において大きく異なることがわかる。

厚生労働省、実施「健康意識に関する調査」

 男性は「自分が病気をしたので」が他を引き離して、影響が大きい。一方で女性は、「以前からやっていた」という回答はおいておくとして、「自分が病気をしたので」が男性同様に1位ではあるが、2位の「家族や友人ば病気をしたので」も5%差。「新聞・雑誌・TVなどの健康記事や番組を見て」、「厄年、子供の誕生、更年期など人生の節目にあたって」といった、他人との関わり、社会との関わりもきかっけになっている。 

 男性は自分のことから考えるが、女性は自分のこと、他人のこと、社会のことと、多方面から考えている。それだけ考えるチャンスも多いし、内容も多岐にわたるだろう。 

 これらの行動・思考は、未来に対する意識や行動における男女の違いに影響を与えているのではないだろうか? 

聞くこと、知ること 
自分ゴト化と具体化 

 ここにいたってもうひとつ、当室の調査でこの傾向に繋がる結果がある。 

whitepaper【50】プレシニアの高齢期に対する意識と行動(ソナエマーケティングの素地 プレシニアとシニアの現状と振り返り、未来に関する調査)より

 上記のように、人生のセンパイから引退や高齢期の話を聞いたことがある人は、女性の方が明らかに多い。 
 しかも聞いてよかったと感じている内容にも男女で傾向が異なる。 

〇男性女性ともに聞いてよかった話 
:お金や健康の大切さ 

〇男性が聞いてよかった話 
:居場所をもっておくことの重要性 

〇女性が聞いてよかった話 
:健康でも、趣味でも、どういう視点でどういうことをしておくとよいか、具体的な話 
(例:趣味の持ち方にも外でできること、家の中でできること。みんなと楽しめること、一人で楽しめること。より高齢になって行動が制限される時を考えると必要だ、とか。健康維持には筋肉をつけることの重要性、とか。) 

 男性と違い、女性は「具体的で、より未来につながる話を聞けてよかった」という声が目立つ。 

 よりよい加齢に対して考え・行動するために、これらの傾向から推測されるのは、以下の3点にまとめられるのではないだろうか。 

1.自分に起きたことだけでなく、他人の経験を共有する
2.共有した他人の経験を自分ゴトとして消化する 
3.行動に移す 

 「わかっている。だけど上手くできないんだよ」と言われそうだが、これだけ 男女差があるなら、まずは行動している女性の真似をすることから始めてはどうだろう? 

 人生のセンパイと会話する機会を男女交えて手に入れられれば、男性だけで会話するよりも有意義な情報を得たり、感じたりできるのではないだろうか? 

 複数の人が集う機会を創出できれば、これまでは個々人の繋がりからのみであったことが、もっと多く、もっといろいろな人生のセンパイから、経験や体験の共有が可能になる。その場に男性・女性が交われば、加齢に対する気づきや考えが広がり、深まるのではないだろうか。 

 さらに得た気づきや考えを「行動に移す」、実行しやすい環境を整えることが必要だ。それはまた次の記事で検討したい。 

 *調査データの詳細や自由回答の内容などは以下のページからダウンロードできます。 

whitepaper【50】プレシニアの高齢期に対する意識と行動(ソナエマーケティングの素地 プレシニアとシニアの現状と振り返り、未来に関する調査) 

株式会社日本SPセンター シニアマーケティング研究室 石山温子