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シニアの地方移住(下)

メリットその2:自然や風景を楽しめる

 地方では自然に囲まれた場所が多いため、美しい景色や自然の中でのレクリエーションが楽しめる。また、都会とは異なる文化や歴史も感じることができる。総じて、自然と触れ合うことは、高齢者の身体的・精神的な健康増進につながるだけでなく、社交性の向上や認知症予防にもつながるため、積極的に取り入れることが望ましいとされている。

◆ストレス軽減

 自然環境に身を置くことで、自然の美しさや静けさに触れることができる。これによって、ストレスを軽減し、リラックス効果が得られることがある。また、自然の中で散歩や運動をすることで、運動不足の改善が期待できる。

◆健康増進

 自然に触れることで、免疫力が高まったり、血圧が下がるなど、健康に良い影響を与えることがある。また、自然の中で新鮮な空気を吸うことができるため、呼吸器の健康にも良い影響があると考えられる。

◆社交性の向上

自然の中での散歩やアウトドア活動は、人との出会いや交流の機会を増やすことができる。また、自然の中での活動は、楽しい体験を共有することができるため、交流のきっかけにもなる。

◆心身の活性化

 自然に触れることで、五感を刺激し、脳の活性化を促すことができます。また、自然の中での活動は、自分で物事を行うことで、自己肯定感を高めることができるため、認知症の予防に効果があると思われる。

メリットその3:コミュニティの形成がしやすい

 地方は人口が少ないため、地域での顔なじみが多く、コミュニティの形成がしやすい。高齢者にとっては、孤独感を解消することができ、認知症予防をはじめ、健康寿命延伸に大きな効果が期待できる。

◆地域社会との一体感

 地方では、地域社会が密接に結びついています。高齢者が地域の行事やイベントに参加することで、地域社会の一員としての一体感を持つことがでる。また、地域のニーズを知ることができるため、高齢者が地域のまちおこしなどに役立つことができる。

◆支援体制の充実

 地方は、高齢者支援のための組織や施設が充実していることが多い。高齢者が健康や生活に不安を抱えた場合には、地域の支援体制を活用することができ、安心して生活することができる。

◆無料や格安で利用できる施設やサービス

 地方では、公共施設やサービスを無料や格安で利用できる場合がある。高齢者は、このような施設やサービスを活用することで、気軽に趣味や社交活動などを充実させることができる。

地方での暮らしにはデメリットも

 地方で暮らすデメリットを克服できるか?その不便さとメリットを天秤にかけて、メッリトの方が十分に多いかを慎重に判断する必要がある。デメリットは移住先の事情に大きく左右されるが、ここでは簡単に代表的なものを挙げておく。

デメリットその1:市街地からのアクセスが難しい

 地方では公共交通機関が少なく、大都市に比べて交通アクセスが悪い。特に高齢者にとっては、車の運転が難しい場合があるため、交通手段に不便を感じることになる。自動運転など高齢者のモビリティについての技術革新が待たれる。

デメリットその2:病院や医療機関が少ない

 地方では、大都市に比べて医療機関が少ない場合がある。高齢者にとっては、病気や怪我に対する医療サービスが不十分になる可能性があるため、自ら健康管理に気を配る必要がある。もし持病などがある場合はそれに対応できる医療サービスが移住先で得られるか調べておく必要があろう。

デメリットその3:文化・エンターテイメントの選択肢が少ない

 地方では、大都市に比べて文化やエンターテイメントの選択肢は少ない。都会の暮らしに慣れた高齢者にとっては、退屈を感じるかもしれません。ただ、それを補って余りある自然の恵みを享受できる。そのあたりの自ら(パートナーがいる場合はその人も)の価値観を十分考えておかないと後悔することになりかねない。

 以上見てきたように、高齢者の移住には大きな可能性がある。我々の役割は高齢者が移住したときにどのようなサービスや製品を提供すればそのメリットを最大化できるか?また逆にどのようなサービスや製品を提供すればそのデメリットを最小化できるか、にある。今後、高齢者の移住が大きな流れになれば、そのビジネスチャンスは決して小さくないはずである。

       シニアマーケティング研究室 倉内直也