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何が変わり、何が変わらない? コロナ禍におけるシニアの環境変化とは?(下)

 コロナ禍をはさんだ1年間の環境変化を個別項目で2回にわたってみてきたが、もちろん特段変わらないと感じている人も多い。コロナ禍にあっては、若年層ほど意識の変化、環境の変化が大きいと言われているようだが、実際はどうなのだろうか?

 「特に変化は感じられなかった」との回答は、年齢階級と完全な相関関係にあることがデータから明らかになった(図7.)。このグラフの波形は、女性も男性も同じだが、女性の方が、どの年齢階級においても、男性より3~7%のオーダで低くなっている。日常生活の環境変化を女性の方が、より色濃く感じているということだ。
 

 男女間の差異はそれほどでもないものの、年齢階級間の隔たりは大きい。最も低い20歳代と、最も高い70歳代の数字を男性を例にして比べてみると、「特に変化は感じられなかった」人は、20歳代で4人に1人なのに引き換え、70歳代では大まかに言えば2人に1人に上る。安定し堅実な生活リズムを堅持している高齢者にとっては、「顕在化した健康不安」に恐れを抱きつつも、実生活上は、大きな波風になってはいないとも推察される。

 現役を退いた人が大勢を占める70歳代と異なり、働き盛りの50歳代や、現役も相当数に上る60歳代は、活発な日常生活を同じように送っているにも関わらず、年齢が上がれば、「変化なし」層は厚みを増している。なにか理由があるのだろうか? 50歳代、60歳代、70歳代という年齢階級別に各項目の回答を比べることが糸口になるかもしれない。(図8.~図10.)

 3つのグラフを比べてみると、男性では、仕事に関する変化が大きいことが分かった。50歳代では、テレワークが大きな変化要因になっているのに比べ、退役世代中心の70歳代では、変化要因として意識されていない。この差が、「特段変化なし」の増減に直結していると思われる。

 女性では「家族と過ごす時間が増えた」という変化要因が、50歳代→60歳代→70歳代の順に小さくなっている。その分、「特段変化なし」の増加に直結しているのではなかろうか?

 変化要因の特徴を個々に見てゆくと、「インターネットの利用時間が増えた」と感じている人が多いことに驚かされる。50・60・70歳代、男女を問わず、30%近傍の高い数字となった。中でも、70歳代男性は6つの年齢階級の中でトップの33.6%。3人に1人がそう感じているということになる。

 「健康への意識が高まった」人は、年齢階級が上がるほど多くなり、また、男性より女性の方が高いスコアを示している。とくに70歳代女性では、変化要因のトップを占めている。

 2020年vs2019年の環境変化は、ドラスティックではあるが、ことシニア層に関して言うと、若い世代よりも環境変化は大きくないものの、デジタル化への傾斜、健康意識の高まりでは、大きな変化を生んだと言ってよい。

   株式会社日本SPセンター シニアマーケティング研究室 中田典男

 

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