データ図表だけをチョイスし、
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2020年7月1日
先の二つの稿では、費目を切り口に、各年齢階級間の比較の「見える化」を試みてきた。本稿では、切り口を変え、50歳代・60歳代・70歳以上の3つの年齢階級別に、費目間比較の「見える化」を試みてみる。まずは、50歳代から。
図10.は、実質額の増減、図11.は前年同月を100とした場合の指数だ。
実質額で大幅に減少しているのが、教養娯楽費。前年同月比で、10,081円も低下している。但し、減少率でみると、同69.8%と劇的に目を見張るような数値にはなっていない。裏返せば、教養娯楽費が、この年代にとっていかに重要な支出パートを占めているかということだ。
10%以上伸びているのが、家具・家事用品と通信費。働き盛りの世代でもあり、在宅勤務の影響が支出にも反映されているのであろう。
60歳代の増減額、増減率はどうだろうか?(図12.図13.)
本稿で取り上げた消費項目のうち、前年同月を上回っているのは、光熱水道費のみ。一般的に50歳代よりも在宅時間が長いことも増加の一因だと思われる。
絶対額で1万円以上前年同月を下回ったのは、交際費(12,104円)と教養娯楽費(11,646円)がワンツー・フィニッシュ。減少率では、被服及び履物が、59.8%もの大幅減。ついで交際費が49.8%とこれまた半減している。活発で社交的な60歳代の活動が、疫禍によってすっかり封じ込められた結果となった。
最後に70歳以上の増減額と増減率を見てゆこう。
70歳以上も、全般的な増減傾向としては、60歳代と大きくは変わるところはない。増減額、増減率とも他の費目に比べて大きく減少、低下している。教養娯楽・交際費・被服及び履物の3つの費目の減衰が目立つ。ただ、60歳代に比べて、交際費、教養娯楽費ともに、実質支出額は少ないものの、減り幅は逆に60歳代を上回っている。支出を抑える意識が高齢になるほど、より強まっているとは言えよう。
今一つ60歳代と異なるのは、通信費の増減傾向だ。70歳以上では前年同月比でプラスに転じている。子世帯とのコミュニケーションを密にしたい年齢にさしかかっているからだと言えば穿ちすぎであろうか?
以上、3回にわたって概観してきたが、疫禍下における消費動向の変化は、4月単月ではそのほんの端緒だろうし、そこから導く推論も、いささか牽強付会のそしりを免れない。今後も、注意深く、動向を追ってゆきたい。(了)
株式会社 日本SPセンター シニアマーケティング研究室 中田典男
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