データ図表だけをチョイスし、
アーカイブ化しました
2020年6月30日
6月5日、2020年4月度単月の家計調査(総務省統計局)の結果が公表された。東京・大阪をはじめとする先行9都道府県で、緊急事態宣言が発出された4月7日以降の消費実態を反映する初めてのデータである。
より確からしいコロナ下の消費動向は、5月、6月の実数値を踏まえないと明確にはならないが、先行指標としての価値はある。本稿では、いくつかの消費項目を抽出し、「見える化」することに主眼を置いた。筆者はエコノミストではないので、可能な限り、ファクトを紹介するに努めたい。その中で、世帯主年齢階級別のデータから、シニアの特徴がわずかでも炙り出せれば幸いである。尚、この単月比較は、5月、6月も「見える化」して追ってゆきたい。
まず、全体像から見てゆこう。図1.は、2019年4月と、2020年4月の消費支出額を世帯主年齢階級別に比較したものだ。(グラフの数字は100円の位を四捨五入。()内は、2019年を100とした場合の2020年の指数値。以下、グラフの表記は同様。)
40歳代、50歳代が消費を牽引し、60歳代がそれに続くという構図に変化はないが、グラフの形として均衡縮小になっているのは明らかだ。全年齢階級で、多少に関わらず消費は落ち込んでいる。
ことに落ち込みが激しいのは、30歳代と、40歳代。パーセンテージで言えば、前者は、13.6%の減少、後者は12.3%の減少となっている。これを金額の実数値でみれば、前者は約3.7万円、後者は約4.4万円の目減りとなる。
次に減少傾向が顕著なのが、70歳代。12.7%の減少と、この年齢階級も10%以上の落ち込みを記録した。金額の実数値では、約3.0万円の目減りである。
落ち込みながらも比較的健闘しているのが、50歳代と60歳代。減少率で見れば、何とか10%未満と、持ちこたえている。
20歳代が最も健闘しているのだが、この年齢階級は母数自体が、1万世帯に満たず、他の年齢階級とは、一桁も二桁も違う。全体の中での影響力を考えると、特筆すべきではないと考えるのが妥当であろう。
それでは、個別の消費支出項目の前年同月比の傾向を見てゆくことにしよう。まずは、食料費から。(図2.)
食料費といった基幹的な消費項目は、非常時であってもそれほど、影響を受けないことが明らかになった。すべての年齢階級で、微増・現状維持・微減のレベルにとどまっている。もとより年齢階級間でそれほど偏りがない費目であり、前年同月とほぼ同傾向にあるといってよい。
食料費の中には、外食も含まれているが、概ね、2,000~8,000円の範囲内であり、体制に影響を及ぼすインパクトにはなっていないのだろう。
光熱水道費も、基幹的な消費支出であり、コロナの影響をそれほど受けない費目と言える(図3.)。全年齢階級を通じて、顕著な増減傾向は見受けられず、ほぼ現状維持から、微増の域に留まった。あえて特徴を挙げるなら、30~40歳代の年齢階級での増加。ステイ・ホームの影響によるものなのかもしれない。
図4.は家具・家事用品支出の前年同月比較。ここには、一般的な家事・調理家電やエアコンをはじめ、一般家具や寝具、家事雑貨や消耗品が含まれる。
この費目には、他とは異なる特徴がある。それは、50歳代までの年齢階級では、前年同月比を上回っていることである。とくに30歳代では、118.3%と、2割近い伸びを記録している。
これには外出自粛以外にも、在宅勤務、いわゆるテレワークも大きな要因の一つになっているのではなかろうか? 家具大手が好業績なのもその表れの一つと思われる。テレワーク需要の少ない60歳以上との差がそこにあるかもしれない。 (②に続く)
株式会社 日本SPセンター シニアマーケティング研究室 中田典男
続きを読む
タグ3世代消費 50代 65歳以上 Hanako世代 IT Web インターネット コミュニケーション コンテンツマーケティング シニア シニアマーケティング スマートフォン セミナー ダウンロードサービス デジタルシニア バリアフリー ホワイトペーパー ボランティア リフォーム 介護 体力・運動能力調査 健康 健康寿命 内閣府 切り口 労働力調査 単身世帯 厚生労働省 商品企画 団塊の世代 国民生活基礎調査 地域貢献 後期高齢者 旅行 有訴者 消費者庁 消費者意識基本調査 社会貢献 総務省 製品開発 観光庁 認知症 買い物難民 高齢者 高齢者の経済・生活環境に関する調査
2021年1月13日
2021年1月13日
2020年12月21日