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コロナでどう変わる? シニアの消費 ~2020年4月度家計調査より~①

6月5日、2020年4月度単月の家計調査(総務省統計局)の結果が公表された。東京・大阪をはじめとする先行9都道府県で、緊急事態宣言が発出された4月7日以降の消費実態を反映する初めてのデータである。

より確からしいコロナ下の消費動向は、5月、6月の実数値を踏まえないと明確にはならないが、先行指標としての価値はある。本稿では、いくつかの消費項目を抽出し、「見える化」することに主眼を置いた。筆者はエコノミストではないので、可能な限り、ファクトを紹介するに努めたい。その中で、世帯主年齢階級別のデータから、シニアの特徴がわずかでも炙り出せれば幸いである。尚、この単月比較は、5月、6月も「見える化」して追ってゆきたい。

まず、全体像から見てゆこう。図1.は、2019年4月と、2020年4月の消費支出額を世帯主年齢階級別に比較したものだ。(グラフの数字は100円の位を四捨五入。()内は、2019年を100とした場合の2020年の指数値。以下、グラフの表記は同様。)

40歳代、50歳代が消費を牽引し、60歳代がそれに続くという構図に変化はないが、グラフの形として均衡縮小になっているのは明らかだ。全年齢階級で、多少に関わらず消費は落ち込んでいる。

ことに落ち込みが激しいのは、30歳代と、40歳代。パーセンテージで言えば、前者は、13.6%の減少、後者は12.3%の減少となっている。これを金額の実数値でみれば、前者は約3.7万円、後者は約4.4万円の目減りとなる。

次に減少傾向が顕著なのが、70歳代。12.7%の減少と、この年齢階級も10%以上の落ち込みを記録した。金額の実数値では、約3.0万円の目減りである。

落ち込みながらも比較的健闘しているのが、50歳代と60歳代。減少率で見れば、何とか10%未満と、持ちこたえている。

20歳代が最も健闘しているのだが、この年齢階級は母数自体が、1万世帯に満たず、他の年齢階級とは、一桁も二桁も違う。全体の中での影響力を考えると、特筆すべきではないと考えるのが妥当であろう。

それでは、個別の消費支出項目の前年同月比の傾向を見てゆくことにしよう。まずは、食料費から。(図2.)

食料費といった基幹的な消費項目は、非常時であってもそれほど、影響を受けないことが明らかになった。すべての年齢階級で、微増・現状維持・微減のレベルにとどまっている。もとより年齢階級間でそれほど偏りがない費目であり、前年同月とほぼ同傾向にあるといってよい。

食料費の中には、外食も含まれているが、概ね、2,000~8,000円の範囲内であり、体制に影響を及ぼすインパクトにはなっていないのだろう。

光熱水道費も、基幹的な消費支出であり、コロナの影響をそれほど受けない費目と言える(図3.)。全年齢階級を通じて、顕著な増減傾向は見受けられず、ほぼ現状維持から、微増の域に留まった。あえて特徴を挙げるなら、30~40歳代の年齢階級での増加。ステイ・ホームの影響によるものなのかもしれない。

図4.は家具・家事用品支出の前年同月比較。ここには、一般的な家事・調理家電やエアコンをはじめ、一般家具や寝具、家事雑貨や消耗品が含まれる。

この費目には、他とは異なる特徴がある。それは、50歳代までの年齢階級では、前年同月比を上回っていることである。とくに30歳代では、118.3%と、2割近い伸びを記録している。

これには外出自粛以外にも、在宅勤務、いわゆるテレワークも大きな要因の一つになっているのではなかろうか? 家具大手が好業績なのもその表れの一つと思われる。テレワーク需要の少ない60歳以上との差がそこにあるかもしれない。 (②に続く)

 株式会社 日本SPセンター シニアマーケティング研究室 中田典男

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