2020年2月2日
シニアに限らず、エントリーフォームの入力途中で離脱するユーザーは約70%(2016年~2017年当社調べ)。視認性や指先の巧緻性に低下が生じるシニアにおいては、さらに高いと推察されます。フォーム改善はサイトの内の改善で重要課題のひとつです。入力フォームの最適化することを総称してEFO(エントリーフォーム最適化)といいます。
EFO(Entry Form Optimisation)とはエントリーフォーム最適化のことを意味します。入力フォームの項目やデザイン、入力支援機能を追加するなどの入力フォームに特化した改善施策を一般的にEFOといいます。
なぜ、ユーザーは入力フォームで離脱するのでしょうか? その答えは大きく分けて3つの要因に分解されます。
(1)入力フォームを見て手間を感じる
ユーザーは入力をする前に入力項目を見て、入力をする・しないを判断しています。入力項目が多過ぎるとユーザーは手間を感じ、入力に入る前に離脱する恐れがあります。また必須項目が不明確な状態では全部の項目を入力しなければならないと考え、同様に離脱する可能性があります。
(2)入力途中で意欲が失われる
ユーザーは入力途中で離脱する場合があります。それは入力ステップが多いケースです。例えば、名前と電話番号を入力した後に完了ボタンと押すと次のステップがあり、住所の入力を促され、さらに入力完了後に、次のステップでメールアドレスの入力を促されるといったようなケースです。何度も段階を踏んで入力を促されるのはユーザーにとって大きな負担になります。
また何度もエラーが出る場合も入力意欲が失われ、離脱する原因になります。
(3) 入力方法が不明確で諦めてしまう
何度もエラーが出ることも離脱の原因になりますが、エラー箇所が不明で入力を直すことができず、諦めてしまうこともあります。その他にも修正のため、戻るボタンで画面を戻ると入力した項目が全てリセットされてしまい、入力が面倒になり、諦めてしまうこともあります。
3つの要因からフォームの課題点を洗い出すことで、適切な対策を打つことが重要です。入力フォーム改善に欠かせないツールとして、EFOに特化した支援ツールをEFOツールといいます。EFOツールには入力フォームに関するサポート機能や離脱防止機能が備わっており、多様な機能がございますので、今回は一般的な機能の一部をご紹介します。
(1)ガイドナビゲーション
ガイドナビゲーションの機能はユーザーに入力フォーム上で入力完了までの残り項目件数をご案内する機能です。
(2)フリガナ自動入力
フリガナ自動入力機能はある特定の項目を入力した際に別の指定した項目のふりがなが自動入力される機能です。
(3)住所自動入力
住所自動入力機能は住所入力フォームで、郵便番号(7桁の数字)の入力があったタイミングで、その後の住所(都道府県・市区町村・番地)を自動入力する機能です。
(4)メールアドレスサジェスト
メールアドレスサジェスト機能は@以降の良く使われるドメイン候補を表示する機能です。
(5)半角全角自動変換
半角全角自動変換機能は入力文字(英数字)の全角・半角文字を自動で変換する機能です。
(6)入力時背景色指定
入力時背景色指定機能は入力中の項目に対して色を付ける機能です。
(7)スマホキーボード変換
スマホキーボード変換機能はスマートフォンの入力時に入力キーボードを自動的に最適化する機能です。
(8)リアルタイムアラート
リアルタイムアラート機能はユーザーの入力エラーをリアルタイムにアラート通知する機能です。
(9)エラー時背景色指定
エラー時背景色指定機能は必須項目およびエラー項目の背景色を変化させる機能です
(10)離脱ブロック
離脱ブロック機能はユーザーがフォーム画面のページを離脱しようとした際にダイアログメッセージを表示する機能です。
EFOツールの導入件数は増加傾向にありますが、EFOツールを導入するだけで成果が改善されると誤った解釈も増えております。EFOツールはあくまでも目的達成の手段ですので、フォームの改善に対しても問題点を洗い出し、改善に向けた対策を正しく実行することが重要です。
サイト内の解析ツールにはGoogleAnalyticsやヒートマップツールなどのさまざまなツールがありますが、入力フォームの問題点はGoogleAnalyticsやヒートマップツールでは完全に知ることはできず、EFOツールの分析機能を使用することで、はじめて細かく分析することができます。
(1)期間別分析レポート
期間ごとの入力フォームのデータを見ることができます。施策ごとにどこに変化があったか調べることができるため、どの施策の効果が高かったのか調べることができます。
(2)項目別分析レポート
入力フォームの項目ごとに入力完了率などの指標を見ることができます。どの項目に問題があるのか調べることができるため、項目の取捨選択や並び替え、デザインの変更に役立てることができます。
(3)ブラウザ別分析レポート
ブラウザごとの入力完了率を見ることができます。ブラウザによっては入力フォームの見え方がまったく異なります。入力完了率の低いブラウザを特定することでCVRの改善に役立てることができます。
EFOツールによる効果は企業やビジネスによって大きく変わりますが、業界に問わず効果があります。弊社のEFOツールの導入事例を一部ご紹介します。
(1)健康食品
【必須】マークは付いていますが、視認性が低く見落とされてしまい、入力エラーを引き起こしておりました。特にふりがな、番地・ビル名でのエラーが多い状況です。
必須項目に色を付けることで、ユーザーに入力すべき項目の見落としを防ぎ、フリガナ自動入力、メールアドレスサジェストのEFO機能で入力サポートを実装しました。
結果はユーザーの入力を支援することで入力完了率26%UPを実現しました。
(2)化粧品
項目に対して「必須」や、色の変更で項目は見やすいですが、項目内に記入例の記載がなく、無機質なイメージを与えてしまっておりました。
ガイドナビゲーションにて色付きの項目が必須であることを明示しました。また入力完了時に色を変える機能を追加することで完了の見やすさを向上させました。
結果はユーザーの視認性が向上したことで入力完了率19%UPを実現しました。
(3)人材
入力項目に色が付いており、また必須項目のマークもあり非常にシンプルながら洗練されたフォームでしたが、項目数が多く、ユーザーの手間となっておりました。
フリガナの自動入力や住所自動入力によりユーザーの手間を軽減する機能を追加しました。その他、リアルタイムアラートにて入力すべき内容を明記することでユーザーを迷わせないような工夫をしました。
結果はユーザーの入力負担を軽減できたことで入力完了率26%UPを実現しました。
このような改善成果をだしている、ゴリラEFOはこちら
今泉 勇介氏
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