翻って、休日の運動・スポーツの実施時間帯を見てみよう。図8.は、各時間帯ごとに、全体平均(10歳代以上)と60歳代、70歳代を比較したもの。
平日と比べて、大きく異なっている点が二つある。一つ目は、どの時間帯でも、3つのグループ間に大きな差がないこと。二つ目は、どの年齢階級、どの時間帯を見ても、平日より休日の方が、不活発、という2点だ。
一つ目の違い。たとえば、平日午前中、昼間と言った時間帯は、70歳代の実施が突出し、60歳代はそれに次いで、全体を牽引していた。一方休日は、早朝から夕方にいたる時間帯まで、全体平均・60歳代・70歳代それぞれの実施率に際立った違いは認められない。(さすがに夜間と深夜は、シニア層の実施比率は低いが…)この原因は推測の域を出ないが、おそらく、60・70歳代と言えども、休日の行動パターンがより若い年齢層と大差がなくなってきていることも、証左の一つでゃなかろうか。
この文脈で見ると、二つ目の相違点、「休日の方が平日より不活発」の謎も解ける。翌朝からのワークに備え、休日を文字通り「安息日」として過ごそうという意向も少しは働いている。
年齢階級別・男女別に休日の時間帯ごとの運動・スポーツ実施率をつぶさに見てみよう。まずは早朝から(図9.)
6つのクラスターからなるグラフの波形は、休日も平日も変わらない。大きく変わるのは、棒グラフの高さ。グラフのどの棒も、休日は平日の半分ほどの高さに過ぎない。いずれの集団も休日まで早朝に運動するのは、「勘弁して!」というところだろうか?
休日午前中のグラフの波形は、平日のそれと若干趣を異にする。平日では男女とも、年齢階級が上がるに連れて、実施率も上がるのだが、休日では男女とも年齢階級に拠る実施率の差は認められない。男性で30%代前半、女性で20%台前半と、同じような数字になっている。この10%ほどの男女差も、平日では見られない。(平日は同じ年齢階級なら、男女差はあまりない)
休日昼間(図11.)も、休日午前中と同じで、年齢階級による際立った差はなく、男性の方が5~7%ほど、実施率が高い。また、平日昼間のように、年齢階級が上がるほど、実施率が上がるという傾向も見られない。
休日夕方も昼間と同様の傾向にある。ただ、女性の年齢階級別では、50歳代の実施率が60・70歳代を少し上回っていることが特徴として挙げられる。(図12.)
休日の夜間、深夜の時間帯ともなれば、運動・スポーツに勤しむ率はグンと下がる。平日に比べて夜間ではおおよそ5~60%(図13.)、深夜ではおおよそ70%ぐらい(図14.)に低下している。両時間帯とも、年齢階級があがるにつれ、実施率は低下している。この傾向は平日も休日も変わりがない。(③に続く)
㈱日本SPセンター シニアマーケティング研究室 中田典男
2024年3月11日
2023年9月12日
2023年6月5日