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いつ、どこで、誰と? シニアの運動・スポーツのリアル③

  • 2020年3月23日

 運動・スポーツと言っても、家庭内の軽運動から、海外マラソンまでと、極めて幅広い。では、シニアはどんな場所で運動・スポーツに親しんでいるのだろうか? 本稿では、実施場所に関するディテールを追ってみたい。

 図15.は、道路から民間アウトドア施設まで、7つの有力な実施場所を、全体平均(10歳代以上)・60歳代・70歳代の3つのグループで比較したものだ。

 正直なもので、手軽で身近な場所ほど、運動・スポーツの実施率も高くなっている。ことに道路は「人気」で、全体(10歳代以上)・60歳代・70歳代ともに、半数が実施経験ありということになった。

 次いで、自宅・自宅敷地内、公園が道路には大きく水を開けられているものの人気のスポットになっている。逆に「わざわざ出かける必要のある場所」は低い。

 年齢階級別に見ると、総じて70歳代の健闘が目立つ。道路やジム等を除き、70歳代が頭一つリードしている感じ。とくにアウトドアでは、3つのクラスターの中でもトップの位置を占めている。

 では、実施場所ごとに細かく見てゆこう、まずは道路(図16.)。

 50~70歳代各男女の6つのクラスター別に見ると、70歳代男性の利用がトップになった。男性は年齢階級が上がるほど、利用率も上がるが、女性は50歳代が最も高く、60・70歳代の利用率は頭一つ落ち込んでいる。総じて、男性より女性の実施利用率が低いのも、道路の特徴だ。

 道路と異なり、自宅・自宅敷地内は、女性上位の結果となった(図17.)。男女ともに、年齢階級が上がるほど、実施利用率も上がるのだが、70歳代男性でも、50歳代女性の利用率には及ばない。あえて言うなら、女性は概ね、インドアでの運動・スポーツを選択する傾向にあるとも言えそうだ。

 アウトドアフィールドと言える公園(図18.)は、どうだろう。男女ほぼ同率の50歳代、僅差ではあるが男性優位の60歳代、男女間の開きが8%ほどもある70歳代と、変化に富んだ結果となった。ここでもことに、70歳代男性の利用率の高さが目立っている。

 図19.は、公共体育・スポーツ施設の利用率。50歳代を除いて、やや女性上位の傾向がある。やはり、70歳代の利用率の高さが目を引く。推測の域を出ないが、行政主導で行われる体力測定や健康づくり教室への参加が多いのではなかろうか?

 図20.は、額面通りのアウトドア活動。女性が年齢階級に関係なく、ほぼ同様の利用率なのに反して、男性は、年齢階級が上がるほど、実施利用率も高くなっている。70歳代男性のアウトドア志向はかなり高く、4人に1人が本格的アウトドアを運動・スポーツのフィールドとして選んでいるというから驚きだ。

 一方、ジム等の民間インドアスポ-ツ施設となると、女性が強い(図21.)。とくに60歳代では、男女の利用率比は、ダブルスコアに近い。ジムと言えば、60歳前後の女性が多いというイメージ通りの結果ではあるが、思ったより低く、全体の20%強に過ぎない。実施場所としては、やはり、手近な自宅や公園には歯が立たないのだろう。

 本稿の最後に、ゴルフ場等民間アウトドアスポーツ施設を概観しておきたい(図22.)。ここはほぼ、男性の独壇場と言っていい。そしてここでも70歳代がトップランナーとして他を牽引している。

 以上、長々と述べてきたが、スポーツの実施場所として総括すれば、次の3つのポイントに集約される。

1.どんな実施場所においても、全体、60歳代、70歳代ではおおむねその利用率に大差はない。このことは70歳代になっても衰えを知らないことの証左でもある。細かく見れば、むしろ70歳代が牽引役を務めている。

2.同じ70歳代でも、老いて盛んな男性に比べ、女性は70歳代に入って不活性になる傾向が垣間見られる。

3.総じて、男性=アウトドア、女性=インドアの図式は概ね当てはまっている。女性のジム利用はよく目にすることであるが、男性の民間アウトドア施設にも同等の需要がある。

 次稿では、「誰と?」に焦点を当ててみたい。(③に続く)

    ㈱日本SPセンター シニアマーケティング研究室 中田典男

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