データの小窓

データ図表だけをチョイスし、
アーカイブ化しました

データアーカイブス

環境重視、ムダ排除。シニアの消費マインドは意識高い系(上)

  • 2020年9月10日

令和元年(2019年)の消費者意識基本調査から、年齢階級間での比較の中で、シニア層特有の消費意識や態度を本稿では明らかにしてゆきたいと思う。設問によって、多少は傾向が異なるものの、総じて環境負荷を排除しようという意識、衝動買いを慎むなど、より慎重な消費行動が浮かび上がってきた。

消費行動はその前提として、将来を考えた生活設計の上に成り立っている。その意識を問うたのが、上記図1.。

一般的には、就職・結婚・出産など、より若年層にこそ必要というイメージが強いが、意外なことに、「将来を考えた生活設計」を最もよく心掛けているのは、60~70歳代のシニア層だった。さすがに80歳以上ともなれば、スコアは下がるが、60~70歳代は、大局観をがあり、その前提の上で、消費など生活活動が営まれると推察できる。

図2.は「環境に配慮した商品やサービスの選択」を問うたもの。回答の文言は「意識している」ではなく「心掛けている」なので、より実践できているかどうかを問う、選択肢になっていることにも注目したい。

「心掛けている(計)」と肯定的な回答率は、年齢階級が上がるにつれて高くなっているが、最高年齢層である、80歳以上でなぜかストンと下がっている。高度成長期を支えてきたという世代特性によるものか? 果たして加齢が原因なのか? それでも記録した数字は、40歳代の50.5%を上回る56.8%。過半数が「心掛けている」という一定の評価ができる結果となった。

図3.は、同じく環境負荷に関するものだが、3Rという具体的な行動に関する意識を問うたものだ。図2.と同様の傾向にあるが、年齢階級間の隔たりは、より大きくなり、際立ってきている。

ここでも最も意識が高いのが、70歳代の78.3%。なんと8割近くが「意識している(計)」との回答を寄せている。次いで高いのが60歳代で、74.9%。4人のうち4人までが「意識している(計)」という高率になった。

逆に最も低いのが20歳代で、わずか39%。半数にも満たない。消費者として成熟途上の世代ということを考慮に入れても、些か心もとない結果ではある。

「無駄を出さないように買物をする」かどうかを問うたのが図4.。ここでは前出の2つの設問ほど、年齢階級間で際立った差異は認められなかった。環境全般や3Rを問う設問に比べ、わが身の損得に関わってくる行動という性格上、全年層で「あてはまる(計)」の率が高かったとみるのは穿ちすぎだろうか?

図5.は、「地産地消の実践を意識している」かどうかを問いかけたもの。ここでも、シニア層が3位までを独占した。最も意識が高いのは、この設問でも70歳代で、59.8%。次いで60歳代の56.9%、80歳代の55.4%が続く。

もとより「地産地消」とは、地域振興の役割だけには留まらない。消費者にとっては、「新鮮で栄養価の損なわれない食材を利用できる」というメリットがあるが、そればかりではない。産直施設などに規格外のものを販売できるため、無駄を抑えられる、流通経路を短絡化することで、そのコストそのものを抑制できるし、流通にかかわる環境負荷も抑えられる。

数字だけでは読み取れないが、「大人の食育」のような知識を多く有しているのがシニア層ではないか。些か身びいきのような推測だが、あながち間違っているとも言えまい。もちろん、心と時間に余裕があってこそのことだ。

   日本SPセンター シニアマーケティング研究室 中田典男

<シニアマーケティングに関するお問い合わせ>こちらのメールアドレスにお気軽にご連絡下さい。

このページの先頭へ